1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480441
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
海野 雅浩 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (90014125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織田 暢夫 東京理科大学, 理学部, 教授 (30016844)
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Keywords | 時間変動磁場 / 誘導起電力 / 生体内磁束 / 神経伝導速度 / 誘発脳波 |
Research Abstract |
時間変動磁場を導体に作用させると導体内磁束の時間的変化に起因してパルス電流が発生する。当然生体も導体であることから生体内磁束が形成されることは十分考えられる。従来静磁場が生体に与える影響に関しては研究されてきたが、時間変動磁場によるパルス電流(誘導起電力)の組織内分布および神経系に与える作用についてはまったく解明されていない。そこで時間変動磁場の組織内起電力分布、知覚運動神経機能に及ぼす影響を検索する目的で下記の項目について研究を行った。 1.時間変動磁場形成回路系の確立 磁場形成のためのパルス電源装置を試作し、磁場強度、周波数、パルス幅を変化させて出力特性並びに精度を検定し、磁場強度と周波数、パルス幅との相関を求めた。現在地磁気および周辺交流による磁気形成回路系に及ぼす影響を検索中である。 2.神経機能測定系の確立 測定系の確立のために神経伝導速度および誘発脳波の計測を予備実験として行った。すなわち周波数1000HZ、出力10mf、時間間隔50μsecの矩形波高頻度通電刺戟を尺骨神経に与えて神経伝導速度測定が可能なことを確認し、時間変動磁場負荷時の神経伝導速度測定に必要な資料を得た。ついで強さの異なる3種類の電気的痛み刺戟を歯に与え、誘発脳波(SEP)を記録した。同時に主観的痛み評価法であるVisual Analogue Scale(VAS)を用いて、痛みの強さを定量的に評価させた。その結果SEPの振幅とVASの値との間に有意な相関をみた。すなわち潜時160〜300μsecのSEPの後期成分が痛みの強さをよく反映し、主観的痛みとも相関することが分った。これらの研究結果をもとに時間変動磁場負荷時の神経機能の変化を観察する準備を行っている。
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Research Products
(1 results)