1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480458
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
笠原 浩 松本歯科大学, 歯学部・障害者歯科学講座, 教授 (50097490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平出 吉範 松本歯科大学, 歯学部・障害者歯科学講座, 助手 (30199038)
気賀 康彦 松本歯科大学, 歯学部・障害者歯科学講座, 非常勤助手 (00161406)
伊沢 正彦 松本歯科大学, 歯学部・障害者歯科学講座, 非常勤助手
小笠原 正 松本歯科大学, 歯学松・障害者歯科学講座, 助手 (10167314)
渡辺 達夫 松本歯科大学, 歯学部・障害者歯科学講座, 助教授 (40090162)
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Keywords | 有病高齢者 / ねたきり老人 / 地域医療 / 口腔機能 / 在宅歯科医療 / 病院歯科 / 入院歯科治療 |
Research Abstract |
1.「ねたきり老人」については、自治体の保健婦などとともに訪問し、口腔機能の状態と歯科医療需要についての実態を調査した。この際の具体的な歯科医療要求に対しては、往診の形で対応した。 2.多数の「ねたきり老人」あるいはそれに準じた人たちが収容されている施説として、特別養護老人ホ-ム「桔梗荘」、「白百合荘」、身体障害者療護施設「梓荘」、「太陽の園」、精神薄弱者更生施設「今井学園」、「ひかり学園」を訪問し、入所者全員の口腔診査を行った。保健指導、歯石除去などの予防処置及びある程度までの治療処置は、巡回診療または出張診療の形で実施した。 3.「ねたきり老人」の口腔機能の特徴として、多数歯の欠損により咀嚼機能の著しい低下を認める者がきわめて多かった。在宅者では、齲蝕や歯周疾患が長期間放置され、口腔清掃もきわめて不良となっている者が少なくなかった。しかし、巡回歯科診療が繰り返された施設の入所者では、歯科疾患はほとんど一掃され、口腔清掃も適切な指導を受けた施設職員の介助によって、かなり良好に維持できるようになることが明らかとなった。 4.多数歯欠損者では、有床義歯の装置により咀嚼機能の改善をはかるように、積極的に取り組んでみた。しかしながら、中等度以上の知能障害を合併する者では、可撤式の義歯の使用は困難なことが多く、この点に関して、数量化II類による検索を行い、義歯使用の可能性についての判別要因を明らかにしつつある。 5.全身疾患の合併のため、不用意な歯科診療には重大な危険を伴うと考えられる症例が少なくなかった。このような場合には、入院させて十分な全身管理下に治療を行った。呼吸・循環機能の監視には、自動血圧計、心電図などさまざまなモニタ-を試みたが、パルスオキシメ-タ-が最も有用であった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 渡辺達夫,小笠原正,平出吉範,渭東涼行,上田健司,野原智,穂坂一夫,笠原浩: "障害者歯科におけるパルスオキシメ-タ-の応用" 障害者歯科(日本障害者歯科学会雑誌). 10(2). 45-50 (1989)
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[Publications] 渡辺達夫,小笠原正,平出吉範,内田美和,渭東涼行,上田健司,穂坂一夫,野原智,気賀康彦,笠原浩: "歯科治療時著しく不協力なひ身障害者に対する行動変容技法の効果" 障害者歯科. 9(2). 25-32 (1989)
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[Publications] 小笠原正,笠原浩,平出吉範,川島,信也,西山孝宏,伊沢正彦,渡辺達夫: "心身障害者の有床義歯に関する臨床的研究 第3報有床義歯の予後" 障害者歯科. 9(1). 25-34 (1988)
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[Publications] 小笠原正,笠原浩 穂坂一夫,渭東行,野原智,平出吉範,川島信也,渡辺達夫: "歯科的管理5年後の重症心身障害者の口腔内所見ー歯齲蝕、歯肉形態異常、歯周疾患についてー" 障害者歯科.
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[Publications] 笠原浩,伊沢正彦,気賀康彦,渡辺達夫: "特別養護老人ホ-ム「白百合荘」入所者の口腔状況" 障害者歯科.
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[Publications] 笠原 浩・編著: "臨床障害者歯科学ー実技研修会テキストー〔第5版〕" 松本歯科大学障害者歯科学講座, 194 (1989)