1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480470
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清水 宣明 九州大学, 医学部, 講師 (50019634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 裕 九州大学, 名誉教授 (30019517)
片渕 俊彦 九州大学, 医学部, 助手 (80177401)
堀 哲郎 九州大学, 医学部, 教授 (00022814)
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Keywords | 拘束ストレス / 摂食行動 / 視床下部外側野 / セロトニン / 脳内微小透析法 / インビボボルタメトリ- / 生体防御 / 電気化学検出器 |
Research Abstract |
本研究は飢餓や拘束という各種ストレス状態によって引き起こされる恒常性維持のための生体防御機構を神経生理学、神経化学、代謝内分泌および行動薬理学的研究から体系的に究明しようとするものである。すなわち脳内物質の動的変化と、視床下部ニュ-ロン活動変化およびその出力としての自律神経系の活動変化とを同時に平行して追求するものである。短期(2時間)の拘束ストレスによって、その後22時間にわたる有意な摂食抑制が起こることが判明した。この拘束ストレスが誘起した摂食抑制は、セロトニン受容体拮抗薬であるメチセルジドで投与後3時間程度阻害できる。しかしオピエ-ト受容体拮抗薬であるナロキサンでは拮抗できない。カ-ボンファイバ-を作用電極とするインビボボルタメトリ-法による分析から、拘束ストレス中にセロトニン代謝産物の5ーHIAA濃度が視床下部外側野(LHA)で基礎値の約50%増加することが判明した。このことは拘束ストレスによって視床下部のセロトニン系システムが活性化されたことを示唆する。さらに脳内微小透析プロ-ブを視床下部外側野に慢性的に留置し、高速液体クロマトグラフィ-と電気化学検出器を用いてLHAにおけるセロトニン動態に関して分析を行った。その結果クロマトグラム上のセロトニンピ-クは(1)高リンガ-液の灌流で増大し、(2)この増大は灌流液のCa^<2+>を除去することにより抑制され、(3)背側縫線核の電気刺激で有意に増加することからプロ-ブ近傍の神経終末からのセロトニン放出を反映すると考えられる。またセロトニンの前駆物質である5ーHTPの腹腔内投与セロトニンの再吸収を抑制するパ-ジソン、放出を促進するフェンフラミンなどの投与によってもセロトニンピ-クの有意な増加が観察された。今後拘束ストレスによる摂食抑制機序について脳内微小透析法を用いてさらに詳細に検討を加えたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shimizu,N.: "Stress-induced anorexia in rats mediated by serotonergic mechanisms in the hypothalamus." Physiol.Behav.46. 835-841 (1989)
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[Publications] Shimizu,N.: "Electrochemical analysis of hypothalamic serotonin metabolism accompanied by immobilization stress in rats." Physiol.Behav.46. 829-834 (1989)
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[Publications] Minami,T.: "Hypothalamic neuronal activity changes to 3-hydroxybutyric acid,an endogenous organic acid." Brain Res.509. 351-354 (1990)
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[Publications] Ono,K.: "Fetal hypothalamic brain grafts to the ventromedial hypothalamic obese rats:an immnohistochemical,electrophysiological and behavioral study." Brain Res.Bull.24. 89-96 (1990)
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[Publications] Shimizu,N.: "Hypothalamic microdialysis of mazindol causes anorexia with increased in synaptic serotonin in rats."
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[Publications] Shimizu,N.: "Glutamete modulates dopamine release in the striatum as measured by brain microdialysis."