1988 Fiscal Year Annual Research Report
HAM(HTLV-I Associated Myelophaty)の発症機序の解明
Project/Area Number |
63480480
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
吉原 なみ子 国立予防衛生研究所, エイズ研究センター, 室長 (80010255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 斐子 国立予防衛生研究所, ウイルス中央検査部, 研究員 (10132896)
赤塚 俊隆 国立予防衛生研究所, 腸内ウイルス部, 研究員 (30159321)
東海林 寿子 国立予防衛生研究所, 血液制剤部, 研究員
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Keywords | HAM / CD4 / CD8 / HIV-1 / 細胞表面抗原 / HTLV-I / 細胞変性効果 / 間接蛍光抗体法 |
Research Abstract |
目的:HTLV-I関連疾患であるHAM(HTLV-I associated myelophaty)の患者の末梢血および髄液リンパ球より細胞株が樹立した。これらのうち、細胞株はほとんどがCD4抗原陽性細胞が優性のものであったが1株CD8抗原陽性細胞が99%を占める細胞株(CD8株)があった。この株を含めた計4種のHAM樹立細胞株について、HLV-3に感染する感受性、特にCD8株でもHIV-Iが感染するか否かを見た。 方法:細胞培養液を遠心し、上清を取り除き、細胞部分とHTLV-Iを混合し、37℃で培養した。3-4日ごとに培養液を交換するとともにサンプリングを28日まで行った。感染性は細胞変性効果(CPB)の観察、細胞数と(トリパンブルー染色)、ELISA、間接蛍光抗体法(IFA)によるHIV-I抗原の検出により判明した。 結果と考察:各細胞株の生存率はHTLV-I摂取後、3日目をピークとして、下降傾向を示し、21日目には測定不能となってたがその後上昇した。HIV-I摂取後3日目で全ての細胞株においてHIV-I抗原の存在が認められた。 従来、CD8抗原を持つ細胞群はHIV-I感受性が殆どないものと考えられていたがわれわれの樹立したCD8株は3日目からウイルス抗原が検出され、HIV-1がCD8抗原をもつ細胞に感染する可能性が考えらえた。CD4抗原が94%の細胞株はCD8株よもHIV-I感受性が高いことが認められた。 CD8株についてはさらにクローニングを行い、CD8陽性細胞のみでHIV-1感染を試みる必要があると考えられる。HIV-I持続感染細胞株のHIV-1重感染後における細胞表面抗原の変化も今後検討する予定である。
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