1989 Fiscal Year Annual Research Report
シイタケ核酸関連物質の加工・調理過程における酵素分解とその制御
Project/Area Number |
63480486
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
遠藤 金次 奈良女子大学, 家政学部, 教授 (20031643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 弘康 奈良女子大学, 家政学部, 教授 (80026525)
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Keywords | シイタケ / 5′-ヌクレオチド / 核酸 / ヌクレア-ゼ / ホスファタ-ゼ / 調理加熱 |
Research Abstract |
本研究はシイタケ調理過程での5′-ヌクレオチド(以下Nt)蓄積の最適条件を解明することを目的とするものであり、本年度は、60℃保温下のシイタケ中での核酸関連物質の変化を詳細に検討することによって、Ntの蓄積機構を解明すると共に、その蓄積を促すための調理条件を検討した。 1.シイタケそのままとそのホモジネ-トについて、60℃保温中の核酸関連物質の消長を比較したところ、ホモジネ-トではNtが一旦生成してから速やかに減少するのに、シイタケ組織では一旦生成したNtは容易に減少しないことが明らかになった。さらに、核酸を分解するヌクレア-ゼとNtを分解するホスファタ-ゼの組織内での分布に偏りがあること、ホモジネ-ト保温中の4種のNtの濃度比の変化はシイタケそのままを保温した場合より速やかであること、保温中に浸漬液Nt:組織Ntの濃度比はヌクレオシドの同濃度比より速やかに増大すること等を明らかにした。 2.これらの実験結果と昨年度の研究結果から、シイタケ調理過程でのNtの蓄積機構を次のように推論した。すなわち、主として50〜70℃で、ヌクレア-ゼは活発に作用して核酸からNtを生成しながら失活していくが、こうして生成するNtのうち、ホスファタ-ゼによる分解を免れるもののみが蓄積することになる。そして、Ntがこの酵素による分解を免れるためには、ホスファタ-ゼの速やかな失活や、この酵素のあまり分布していない部位や浸漬液へのNtの速やかな拡散・移行が重要である。 3.シイタケの乾燥条件や調理条件とNt蓄積量との関係を検討し、以下のことを明らかにした。(1)極端に高温にならないかぎり、熱風乾燥の温度はシイタケ調理時のNtの蓄積量に大きい影響を及ぼさない。(2)調味料の存在は調理時のNt蓄積をやや抑制する。(3)調理時にpHをやや上昇させるとNt蓄積量は増大する。(4)4℃/min.前後の昇温速度の時、Nt蓄積量は最大になる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 澤田崇子,遠藤金次: "シイタケの加熱調理過程における核酸関連物質の変動" 日本家政学会誌. 41. (1990)
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[Publications] 澤田崇子,遠藤金次: "乾燥シイタケの調理性におよぼす乾燥温度の影響" 調理科学. 23. (1990)