Research Abstract |
本研究の目的は,幼児期から小・中学生期にかけての体力,運動能力の発達の様子を追跡的測定によって縦断的にとらえ,幼児期からの活発な身体運動の実施の影響を明らかにすることにある。測定は1980年から実施され,毎年対象人数を増加させてきたが,昨年度は当初からの対象者34名が中学3年まで10年間の測定を完了し,今年度は30名が同様に10年間の追跡測定を完了した。すなわち,三重県紀伊長島町立幼稚園,町立小学校を卆業し,今年度町立紀北中学校1,2,3年に在学する追跡測定対象者について,トレッドミルランニング法を用いて,昨年同様の方法で最大酸素摂取量の測定を実施した。対象のうち,追跡測定条件を満たしたものは,205名であり,8〜10年間の追跡測定結果がさらに増加したことは大きな成果であった。 測定項目は,上記の他,形態計測22項目,波脂厚,握力,背筋力,垂直とび,立位体前屈,立巾跳,立5段跳,シャトル走,自動車駆動アネロビックパワ-などである。 小学生については,幼児期にあまり活発な身体活動が行われなかった三重大学附属幼稚園の卆園児で三重大学附属小学校に在学している3,4,5年生139名について,追跡測定を実施した。このことによって,幼児期(4歳児)から小学校期にかけての縦断的な測定資料が得られた。この対象について,さらに中学生期まで測定を縦続すれば,幼児期から活発な身体運動を実施した紀伊長島との比較がより明らかになると考えられる。 追跡測定資料は,「科研研究成果報告書」に詳述されているが,今年度の最大酸素摂取量の主な測定値は次のとおりである。男子の平均値:中1(N=44)2.276l/分(51.2ml/kg/分),中2(N=56)2.746l/分(54.9ml/Kg/分),中3(N=19)2.590l/分(50.5ml/kg/分)
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