1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480513
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中西 守 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (90090472)
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Keywords | 画像処理 / 蛍光ストップトフロ- / カルシウムイオン / ヘルパ-T細胞 / MHC抗原 / T細胞レセプタ- / 抗原提示細胞 / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
蛍光ストップトフロ-法と多種の蛍光プロ-ブとの組み合せにより、T細胞を始めとする免疫細胞の免疫応答の初期過程を追究する新しい方法論を確発した。この方法論の確立を基に、迅速、高感度の免疫細胞の機能解析に適した蛍光ストップトフロ-装置の開発を行った。次いで、1個の細胞でのミリ秒単位で起こる生化学的現象を画像化する蛍光顕微鏡画像処理装置を組み立てた。そして、免疫細胞の細胞内カルシウムイオンの動態測定から、免疫細胞の初期活性化の追究を可能にした。特に、ミリ秒単位で単一細胞のカルシウムイオンの測定法の開発に成功した。そして、ヘルパ-T細胞と抗原提示細胞との相互作用を蛍光ストップトフロ-法及び蛍光画像解析法により追究した。その結果、ヘルパ-T細胞のカルシウムシグナルには、抗原特異性とMHC拘束性があることを明らかにした。非特異的な抗原提示細胞では、ヘルパ-T細胞の応答は見られなかった。また、クロ-ン化したT細胞の細胞内カルシウムイオンの濃度上昇にはtime-lagがあり、個々の細胞でtime-logがかなり違っていた。クロ-ン化した細胞でも既に個性が存在することを明らかにした。また、サプレッサ-T細胞はヘルパ-T細胞の機能を一方向的に抑制することも明らかにした。さらに、蛍光画像処理法により、単一の好塩基球細胞のカルシウムシグナルの解析を行なった。そして、個々の細胞でのカルシウムシグナルの実体を解明し、細胞内へのカルシウムイオンの流入が約0.1秒で進行していることを世界に先駆けて明らかにした。最後に、ヘテロなT細胞の集団から特定のT細胞の機能解析するシステムを開発した。この方法は、今後、T細胞の分化抗原の研究に画期的な寄与をするものと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 中西守: "T細胞の抗原認識と情報処理" 薬学雑誌. 109. 707-717 (1989)
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[Publications] Utsunomiya,N.: "Unidirectional Inhibition of Early Signal Transduction of Helper T-cells by Cloned Supprressor T-cells" International Immunol. 1. 460-463 (1989)
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[Publications] Mizuguchi,J.: "Differential Sensitivity of Anti-IgM-induced and NaFinduced inositol Phospholipid Metabolism to Senine Protease Inhibitors in BAL 17 B Lymphoma Cells" Biochem.J.263. 641-646 (1989)
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[Publications] 中西守: "T細胞の活性化と細胞内カルシウムイオンの動態" 細胞工学. 18. 271-274 (1989)
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[Publications] Mizuguchi,T.: "A Selective Signal Defect in Helper T-cells Induced by Antigen Presenting Cells from Mice with Acquired Immunodeficiency Syndrome" J.Immunol.(1990)
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[Publications] Kimura,K.: "Location of Membrane-bound Hapten with Different Length Spacers" Immunology. (1990)