1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63490004
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
原田 宏 筑波大学, 生物科学系, 教授 (90015991)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 博 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (00169608)
|
Keywords | HIヒストン / 花粉減数分裂 / 花粉母細胞特異蛋白質(PMCP) / ポリクローナル抗体 / ヌクレオゾーム |
Research Abstract |
ユリ科植物の花粉形成過程において、組織特異的な核蛋白質が存在することが知られている。しかしながら、その蛋白質の生化学的研究はこれまで行われておらず、また、その機能も不明であった。我々は一次元目に酢酸尿素ゲル、二次元目にSDS、ポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動を行い、この核蛋白質を再確認し、PMCP(Pollen Mother Cell Protein)と命名した。 PMCPは逆相カラムを用いた場合、アセトニトリルのグラディエントでHIヒストンと分離できた。そのアミノ酸組成を調べると、HIヒストンに分類されるが、体細胞で発現されるHIヒストンよりむしろ哺乳類の精巣に特異的なHIヒストンに類似していることが明らかとなった。 今年度は、まずHI、PMCPのポリクローナル抗体作製を行った。得られた抗体は、それぞれ特異的で相互間のcross reactionは認められず、この結果はラットのHIT抗体がHIと反応しない報告と一致する。またPMCPの組織特異性をPMCP抗体で調べたところやはり花粉母細胞にのみ検出された。 次にPMCPがヌクレオゾームに対しどのように結合しているかを調べた。ヌクレオゾームを5%アクリルアミドゲルで分離し、HIとPMCPの抗体で検出したところ、HIはモノマー以上そしてPMCPはダイマー以上のヌクレオゾームに結合することがわかった。PMCPの生理機能を調べるため、葉組織と花粉母細胞のnucleosome repeat lengthを比べてみても違いはみられず、ヌクレオゾームのレベルではDNAの凝縮に関与していないことがわかった。 PMCPの生合成期を決定するため、^3H-リジンでパルスラベルする予備実験を行ったところ、G_2期に合成ピークがあることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)