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1988 Fiscal Year Annual Research Report

環境制御等による微生物被害防除法の開発

Research Project

Project/Area Number 63490022
Research InstitutionNational Research Institute for Cultural Properties, Tokyo

Principal Investigator

新井 英夫  東京国立文化財研究所, 保存科学部, 室長 (00000456)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 杉山 純夛  東京大学, 応用微生物研究所, 助教授 (80142256)
Keywords文化財 / 障壁画 / 微気象 / 環境制御 / 微風速 / 微風速風洞
Research Abstract

障壁画等文化財の微生物被害の実態調査は、昭和63年度に京都南禅寺、瑞巌寺、京都国立博物館等において、障壁画、絵画、古のり等から微生物試料を採集し、微生物分類学的研究を実施中である。
微生物被害が既往の社寺における微気象の実測は、この度の科学研究費の交付を受けて初めて実現可能となった最重点課題である。本申請は、障壁画等のカビによる被害を環境制御によって防除することを目的とする。かつて南禅寺方丈でカビの発生した現象は、環境条件の変化がその主因と思われるので、本申請者は、その変化した環境条件を究明すれば障壁画等のカビを防除する条件を見出せる可能性があると考えた。そこで、同寺小方丈の虎の間で、かつてカビの発生したときと同条件でガラス戸を設置した場合とガラス戸を取り除いた場合の環境条件の変化を実測した。今回得られた最大の成果は、次の実測値であった。すなわち、南禅寺方丈の3種のガラス戸開口状態における方丈内障壁画表面の最大風速が、窓1/3開放時に0.020〜0.030m/s、窓全開時では0.040m/s、扉全開時では0.150〜0.330m/sという知見であった。
従って、昭和63年度の南禅寺小方丈における微気象実測により、かつてガラス戸を設置して著しいカビの発生をもたらしたときの方丈内の最大風速は、0.020〜0.030m/sであったと推測された。さらに、ガラス戸設置前の方丈内の最大風速は0.150〜0.330m/sで、このときには障壁画面等に顕著なカビの生育は認められなかったものと思われる。この環境条件の差が、障壁画へのカビの発生と密接に関連していると考えられる。
次年度以降の研究では、この微風速の差を障壁画等の被害要因カビの発芽を防止する環境因子として、微風速風洞による基礎的実験を展開する予定である。

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Published: 1990-03-19   Modified: 2016-04-21  

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