1989 Fiscal Year Annual Research Report
二者間の言語的、非言語的コミュニケ-ションに関するマルチ・チャネル的研究
Project/Area Number |
63510043
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Research Institution | HOKUSEI GAKUEN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大坊 郁夫 北星学園大学, 文学部, 教授 (50045556)
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Keywords | 対人コミュニケ-ション / 非言語的コミュニケ-ション / パ-ソナリティ認知 / 解読 / 欺瞞 / 相互作用 |
Research Abstract |
1.非言語的感情表出性の測定:ACT尺度の構成 ACTの適応可能性を探ることを目的として調査を行った。Friedmanら(1980)の尺度を翻案して、男女大学生を被験者として調査を行った。平均値は、男性で59.68±13.43(N=260)、女性では60.34±11.82(N=139)で男女差はない。折半法の信頼性係数は、6881であった。得点分布は、ほぼ正規的である。ACTと他の尺度得点との相関係数を比較すると、有意水準の高い順に併記するならば、E,socA(-),Skill,SE、親和,支配,IO,MAS(-),求護,自律であった。これらのことから、ACTは、対人的な反応性、敏感さを繁栄したものであり、対人的な表出性としての概念的妥当性を備えていると言えよう。さらに、対人的な反応性、敏感さを繁栄したものであり、対人的な表出性としての概念的妥当性を備えている。2.欺瞞のコミュニケ-ションの多次元構造 前年度の実験で得た会話実験デ-タを基にして、コミュニケ-ション行動間の関係を検討した。因子分析結果によれば、欺瞞者には、沈黙への特異な解消行動があり、空白の相互作用への強い緊張を示すものと考えられる。さらに、欺瞞者では、発言権の交代を求める積極的発言、手への感触の成分、そして、発言強度と積極的視線、顔への接触が相関している成分も認められているのが特徴であり。非欺瞞者では顔への接触、視線行動の成分があり、構造に違いがあることが知られる。即ち、欺瞞者の場合にはよりチャネル間の関連の強さが認められる。3.欺瞞的コミュニケ-ションの解読 先の会話シ-ンVTRを呈示して、欺瞞者の判定を求める解読実験を行なった。実験1では、全身、身体のみ、顔のみを呈示し(さらに音声の有無条件もあり計6条件)と実験2では、評定作業の前に一方が欺瞞者である旨を開示し、全身を示し、音声の有無2条件だけを用いた。概ね映像のみ条件で解読の正解が高いこと、正確度は女>男であることが認められた。
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[Publications] 大坊郁夫: "欺瞞的コミュニケ-ションの多次元構造" 日本グル-プ・ダイナミックス学会第37回大会発表論文集. 71-72 (1989)
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[Publications] 大坊郁夫: "非言語的表出性の測定:ACT尺度の構成" 日本心理学会第53回大会発表論文集. 210 (1989)
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[Publications] 大坊郁夫: "対人コミュニケ-ションにおける欺瞞の構造" 実験社会心理学研究. (1990)
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[Publications] 大坊郁夫: "欺瞞的コミュニケ-ションの解読" 日本社会に理学会第31会大会発表論文集. (1990)