1989 Fiscal Year Annual Research Report
情報伝達メディアと情報処理様式の個人差に関する社会・精神生理学的研究
Project/Area Number |
63510062
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤原 武弘 広島大学, 総合科学部, 助教授 (20033706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 眞治 広島大学, 学校教育学部, 助教授 (60112158)
堀 忠雄 広島大学, 総合科学部, 助教授 (10020132)
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Keywords | メディア志向性 / 大脳半球差 / 説得的コミュニケ-ション / 態度変容 |
Research Abstract |
情報処理様式の個人差に関する社会・精神生理学的研究 「映像型メディア志向性の高い者は、空間的課題に優れ、また右脳活性を示すであろう」という仮説を立て、空間的課題としてメンタルロ-テ-ション、言語的課題として仮名課題を用いて、高文字志向・低映像志向群ならびに高映像志向・低文学志向群の被験者を対象に実験を行った。しかし仮説を指示するような結果は得られなかった。そこで、刺激処理様式の個人差を測定する尺度に問題があると考え、尺度を改良し、映像志向性と知能検査の図形処理能力との関係を調べた。その結果両者に有意な相関が得られ、映像メディアの映像そのものへの志向性を映像志向性と定義して、空間図形課題(メンタルロ-テ-ション、折り紙パンチ、図形分割課題)を行う際の脳波を記録した。その結果、高映像群が左脳優位、低映像群が右脳優位ということが明らかになった。 2.伝達メディアならびに受け手の情報処理の違いが説得に及ぼす効果、説得的コミュニケ-ションの伝達媒体として、ビデオと文字条件、情報処理の個人差として、映像志向型と文字志向型を独立変数として、態度変容量、送り手に対する評価や信頼性を従属変数として実験を行った。その結果、態度変容量に関しては有意な差は見出せなかったが、送り手に対する専門性認知に関しては有意な交互作用が見出され、活字志向型は文字媒体に、映像志向型はビデオ媒体に高い信憑性を置くことが明らかになった。 3.認知欲求尺度の基礎的研究 メッセ-ジを処理する動機づけの個人差を測定するための尺度(認知欲求尺度)の信頼性と妥当性を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤原武弘: "態度変容理論におけるELMの検証(1)" 日本社会心理学会第30回大会発表論文集. 30. 45-46 (1989)
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[Publications] 神山貴弥: "態度変容理論におけるELMの検証(2)" 日本社会心理学会第30回大会発表論文集. 30. 47-48 (1989)
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[Publications] 神山貴弥: "態度変容理論におけるELMの検証(3)" 中国四国心理学会論文集. 22. 66 (1989)
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[Publications] 藤原武弘: "態度変容理論におけるELMの検証(4)" 中国四国心理学会論文集. 22. 67 (1989)
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[Publications] 藤原武弘: "マス・メディア嗜好性尺度の開発" 情報行動科学研究. 13. 73-80 (1989)
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[Publications] 神山貴弥: "認知欲求尺度に関する基礎的研究" 情報行動科学研究. 13. 1-9 (1989)