1988 Fiscal Year Annual Research Report
「幸福感」と「生活満足感」に関する生涯発達心理学的研究
Project/Area Number |
63510064
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
杉山 善朗 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50045332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 豪 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90150557)
中村 浩 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20136956)
竹川 忠男 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50045366)
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Keywords | 高齢者の主観的幸福感 / 施設高齢者と在宅高齢者 / 生きがい意識 / 「死への不安」 / 「死生観」 / 「情緒的サポート」 / 林の数量化I類による多変量解析 |
Research Abstract |
本研究は、主観的幸福感イコール健康や身体ー心理ー社会的条件の積和と仮定し、関与する諸条件との客観的連関の検討・吟味を目的として実施された。研究第一年目である本年度の方法と成果は、以下に大約される。高齢者の「生きがい意識」と「死に対する不安」、「死生観」、「情緒的サポート」との関連を検討した。 それぞれ自記式質問紙を用いて回答を求め、中央値検定および重回帰分析(目的変数は「生きがい」得点、説明変数は、残り3尺度得点の高低および年代、性別、ADL,施設内適応度などの身体・社会的特性カテゴリー計18項目)行った。在宅高齢者(99名)・施設入園高齢者(104名)間の比較も行った。その結果、 1.「死に対する不安」が弱く、良質の死生観を持ち、「情緒的サポート」を高く認識するほど、高齢者の「生きがい意識」は強くなることが認められた。とくに、高齢者の「生きがい意識」に対する「死に対する不安」の影響が大きいことが確認された。 2.「生きがい意識」と「死に対する不安」、「死生観」、「情緒的サポート」との関連について、在宅高齢者と施設入園高齢者との間に相違がみられた。施設入園高齢者では、「生きがい意識」と「死生観」との間に低い正相関がみられたが、在宅高齢者では「生きがい意識」と「死生観」の相関がほとんどみられなかった。在宅高齢者については「死生観」の質がほとんど「生きがい意識」に影響しないことが確認された。 3.林の数量化I類法による重相関分析の結果は、重相関係数7316で満足できる高値を示し、施設高齢者の日常生活行動、ライフ・ビヘイビアと「生きがい」意識の間に明確な方向で、多くの興味ある知見を得ることができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 杉山善朗 他: 老年社会学. 11. (1989)
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[Publications] 杉山善朗 他: 社会老年学. 30. (1989)
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[Publications] 杉山善朗 他: J.Geront.(1989)