1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63510067
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
能見 義博 青山学院大学, 文学部, 教授 (70082584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 憲司 東洋大学, 文学部, 教授 (00082636)
米澤 俊治 青山学院大学, 文学部, 教授 (10084237)
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Keywords | 観察学習 / 愛他行動 / 視点 / セルフエフィカシ- / 結果予期 / 共感 |
Research Abstract |
本研究の目的は向社会的行動(愛他行動)の観察学習に関係する要因の分析である。このために、本研究では関係すると思われる諸要因を視点操作を行うという形で比較検討した。すなわち、同じ内容の向社会的行動の観察学習において観察者の視点をいろいろと操作して、その効果を比較検討したわけである。視点操作として、困窮者、愛他行動、認知結果予期などがあげられた。昭和63年度の研究では、愛他行動の観察学習に及ぼすセルフエフィカシ-、結果予期の効果について主に検討した。視点操作条件は困窮視点条件、結果予期視点条件、愛他行動視点条件、非観察統制条件であった。平成元年度の研究では視点操作が愛他行動の観察学習に及ぼす効果というテ-マで実験を行った。視点操作条件は共感視点条件、愛他行動視点条件、認知視点条件、無視点統制条件、非観察統制条件であった。被験者は両実験とも小学校4年生であり、また、観察学習後に愛他行動、共感、セルフエフィカシ-等に関する評定をさせて学習効果を比較した。平成2年度は、昭和63年度・平成元年度に行った上記の実験の結果の分析と考察を行った。その結果、視点操作によって愛他行動の観察学習効果に違いが生じること、セルフエフィカシ-、共感、賞・罰予期などが愛他行動と関係すること、共感の喚起はその程度によって観察学習に異なる効果をもたらすことなどがわかった。平成2年度は以上の研究成果の公刊も行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 竹内 美香・能見 義博・杉山 憲司・松井 洋・佐藤 千津子: "視点操作が愛他行動の観察学習に及ぼす効果" 青山学院大学文学部紀要. 第32号. 89-100 (1991)
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[Publications] 杉山 憲司・松井 洋・佐藤 千津子・竹内 美香・能見 義博: "愛他行動の観察学習に及ぼすセルフエフィカシ-,結果予期の効果" 心理学研究.