1988 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化社会に対応する地域集団の機能に関する実証研究
Project/Area Number |
63510103
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
斎藤 昌男 立正大学, 文学部, 教授 (70062784)
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Keywords | 高齢化社会 / 住民組織 / 地域集団 / 地域福祉 |
Research Abstract |
高齢化社会の問題を地域社会学の見地から分析し、問題の抽出と方向性を探ることが本研究の主要な問題である。具体的には宮城県塩釜市を事例とし、全市有権者を対象とする標本調査(往復郵送法により配票)と、市内の市民組織リーダーおよび公共施設等の管理者ならびに行政担当者に対する面接調査を実施した。 作業仮説として、個人生活レベル、家族生活レベル、それに地域生活レベルからのアプローチと、地方では公共施設レベルからの分析とを相互関連的に検:検討することにより地域集団の役割構造がはあくできると考えた。これまでの調査結果を摘記すると次のとおり。 1.地域住民組織(町内会または区)が全市的に組織されており、自治的活動を行なっているが、行政的課題(たとえば高齢者のケアー)に関しては対応が必ずしも十分とはいえず、地区によるバラツキが大きい。 2.市街地と村落部(島)とは生活課題を異にする。とくに公共施設の充足度の差が大きい。しかし村落社会では区の役割が大きく集落的結合が強いので高齢者の生活安定性が高い。 3.市立総合病院を有することが、高齢者問題を考えるうえで好条件となっている。また二市三町の事務組合により設立した特養ホームは、デイサービスやショートステイサービスを広域的に処理するうえで有効性が高い。 4.市民のボランティア活動は未だ低調であるが、市民意識のなかにはその芽ばえがみらる。市民エネルギーの組織的活性化が課題。 5.医療機関・保健所・福祉施設相互の連繋を強化することが求められる。これを行政レベルだけでなく、住民組織を交えた体制づくりが必要。 6.市民の組織的なボランティア活動を担うものとして、40才代後半から60才代までの婦人層が期待できる。
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Research Products
(1 results)