1988 Fiscal Year Annual Research Report
新潟第3区にみる地方議員派閥の構造と機能の実証的研究
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63510110
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
星 明 佛教大学, 社会学部, 講師 (30148382)
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Keywords | 地方議員 / 系列化 / 派閥 / 後援会 / 地方議会 |
Research Abstract |
昭和63年度は、1.新潟3区の33市町村の政治状況を文献研究と現地調査によって把握すること、2.県議会議員の系列化の実態、いくつかの市町村の議員の系列化の実態を把握すること、3.33市町村の議員に対してアンケート調査を行なった。 1について…新潟3区は昭和22年の初当選以来、3区に大きな位置を占めてきた田中角栄が昭和60年2月、病に倒れたことを直接の契機として、一種の政治的な変動状況にある。一口に言うと、田中自身、田中後継者(あるいは後継者を名乗る者)および田中後の主導権を目指す者の3者の葛藤である。新潟3区を全体的にみれば田中の権力の衰退とそれに伴う保守系現代議士の伸張がみられる。こういった現象は県議レベル、首長レベルおよび市町村議レベルにも見られる。 2について…新潟3区に属する県議は18名(県議定数63)である。昭和62年の統一地方選挙において、田中派(越山会)の県議は13名から8名に減少した。現在、3区内の保守系県議12名は全て代議士の系列化にある。田中角栄派8名、村山達雄派1名、渡辺秀央派2名、桜井新派1名である。3区を代表する長岡市の市議(定数35)の保守系代議士による系列化は田中派8名、村山派4名、渡辺派4名、桜井派3名である。 3について…昭和63年11月に33市町村の自治体議員734名に対して議員の系列化を含む44項目からなるアンケート調査を実施した。回収率は256名で35%である。現在、単純集計、基本属性とのクロス集計などを行なっている過程である。 今後は上のアンケート調査の結果を分析するとともに、改選が予定されている自治体議員の派閥構成の変動をみていく予定である。
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