1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63510118
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Research Institution | Seinan Jogakuin Junior College |
Principal Investigator |
田代 栄二 西南女学院短期大学, 教授 (20085674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保田井 進 西南女学院短期大学, 教授 (60085678)
岡 廣一 西南女学院短期大学, 教授 (10085665)
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Keywords | 少年犯罪傾向の変化 / 問題地区の解明 / 家族解体上の特質 / 生活保護から見た問題性 / 地域変容との関係 / 各区との傾向の対比 / 少年犯罪の対処策 |
Research Abstract |
本年度の研究目標としては、研究の最終年度であり、これまでの資料の追補と、後半では北九州全域の地域変客と小年犯罪傾向の対比を目標においての取組であった。特に仮設の問題地区の家族の構成状況、共働き、生活保護の状況等についての適切な資料の収集は困難であったが、町内会長、自治委員等を通してその概要の聴取ができたこと、また生活保護の件については、北九州市民生局の協力により適切な資料を得ることができ感謝である。つぎに問題地区を校区内に持つ中学校の現況と問題性を考究すべく当該中学校に生徒の実態調査を切願したが、中学校側の諸事情から受諾が得られず、よって全域9中学校の生活指導担当教師との懇談を通して問題点を究明すること、また門司署少年補導員連絡会の会長並に補導3区割の支部長による今日までの補導体験を通しての解明を適切と判断し、数回にわたる現地の巡視、懇談会を通して貴重な考究をすることができた。ついで最終年度として北九州市全域の変容と少年犯罪の考究を計画していたが、この分については幸にも別件として、昭和62、63年度文部省科学研究費(綜合A)「地方大都市の社会病理研究に関する綜合的研究ー北九州市の場合ー」を取組む上で、保田井は研究責任者であり、田代は非行、犯罪の担当であり、これらの資料の中から対比することにした。これらを含めての詳述は研究成果報告書に掲載することにした。最終年度として得た知見を要約すると、少年をとりまく諸環境の分析に力点をおいたが、少年犯罪の要因として、家族の欠損、生活保護関係等も一つの大きな負因ではあろうが、逸脱行動に連る少年の人格形成の未熟さによる欲求不満、耐性欠如、自己統制力の弱さ、基本的生活習慣の不十分さ、規範遵守の未熟さ等が大きな要因になることを思う時に今日の教育(学校、家庭)の在り方、また地域の環境づくりの釀成こそ対処策の急務であることを再確認させられた。
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Research Products
(1 results)