1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63510137
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上原 麻子 広島大学, 総合科学部, 助教授 (70193836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 よしみ 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (40208228)
熊取谷 哲夫 広島大学, 教育学部, 助教授 (20161705)
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Keywords | 異文化適応 / 日本語教育 / 留学生教育 |
Research Abstract |
本年度の研究計画の主な4項目を下記の通り遂行した。 1)昨年度に行った第1グル-プへの留学修了前「最終回テスト」(質問紙を用いての「適応度テスト」及び「日本語能力テスト」)と指導教官への面接結果の分析を年度初めに行った。 2)7月〜9月に第2グル-プへの「最終回テスト」(上記、「適応」、「言語能力テスト」)と被験者及び指導教官への面接を行った。 3)主要目的である言語能力向上と適応の内的関連を究明するために、第1回〜第3回までのテストを統計処理法を用いて分析した。その結果、言語能力向上と共に、日本文化理解が深まり、聴解能力の発達と共に、学内での教官・行政官との関係が好転することが判明。殆んど全員の対象者が、第3回テスト時には日常生活を日本語で行っていたが、彼らの日本語能力は、第1回テスト時から第2回テスト時の発達が著しく、その後第3回テスト時には、文法、講読、漢字能力は低下することがわかった。滞在期間の長期化と共に聴解能力は伸びるが、読み書きを日本語で行っていないことである。このことより、6ケ月の日本語集中授業だけでは、大学で専門レベルの研究を行うことは困難であるとの知見を得た。 4)研究遂行のために「適応尺度」と「言語能力テスト」をも改善・開発することを目的とした。「適応尺度」は、横断研究法を採用して、初年度のデ-タに加え、総計310名の留学生と187名の日本人院生との比較も行い、尺度の信頼性と異文化適応の要因解明を行った。「言語能力テスト」は、広島大学で従来から使用してきたものを用いたが、平行して聴解、話法を中心に能力テストの開発を試み、統計的検討を加えた。
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