1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63510164
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
近藤 久史 国立特殊教育総合研究所, 病弱教育研究部, 主任研究官 (60132718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢吹 和美 国立特殊教育総合研究所, 病弱教育研究部, 室長 (70099943)
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Keywords | 長期入院児 / 一般慢性疾患児 / 心理的問題 / 授業記録 / 授業分析 / 教材の発掘 / 問い / 病弱教育 |
Research Abstract |
病弱教育の対象となる児童・生徒は、長期に入院を要する一般慢性疾患児、施設や病院にいる身体虚弱児、重心病棟についる重度・重複児、等と多岐に渡っている。また、近年、心身症や登校拒否等の精神・神経疾患の児童・生徒の病弱養護学校在籍への急激な増加により、ますます多様化している。病弱教育の実戦的な課題は、学校や学級によって大きく異なる。その上、入退院が頻繁にあり、学級の成員も一定せず、個別の教育プログラムが必要である。そこで、本年度は、病弱教育の多様性に応えて、長期入院児を主とする研究対象校を次の4校に定めた。 (1) 気管支喘息児を中心とする小学部の病院内学級、 (2) 病類の異なる一般慢性疾患児のいる中学部の養護学校、 (3) 登校拒否児の多い中学部の養護学校、 (4) 死を意識して生きる進行性筋ジストロフィー症児のいる高等部の養護学校。 研究対象校4校の授業を実際に観察して、長期入院児の授業に関して以下の観点から検討を試みた。(1) 4校に各々対象児を選定して、授業観察や作文、絵などの表現活動から、対象児個々の実態と問題点を明らかにした。 (2) 観察した授業を授業逐語記録におこして、児童・生徒の発言内容や教師の発問に視点をおいて授業分析した。 (3) 対象児に即した教材の発掘と開発を行い、対象児別に教材のリストを作成した。 次年度は、研究対象校4校それぞれに実験授業を計画・実施し、授業分析の方法を使って、長期入院児の授業のあり方について研究する。 尚、病弱教育における授業に関する基礎的理論も、研究成果報告書には記載する予定にしている。
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