1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63510257
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水光 雅則 京都大学, 教養部, 助教授 (20091192)
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Keywords | 強勢 / 縮約 / 言語習得段階移行法則 / 基本と派生 / モデル依存の拡張原理 / モデル自由の拡張原理 / 因子組み替え原理 |
Research Abstract |
1(1)。モデル依存型の言語習得段階移行法則[別称 拡張原理]としてSuiko(1987)で提唱した因子組み替え原理は、英語の句でそれが合成語的な特徴を備えているなら合成語のように左の要素に強勢を与える規則が存在しても不思議でないと予測する。この予測は、当時は確認できなかったが、この間、そのような規則の存在することが分かった。 (2)。副詞maybeは、因子組み替え原理の一般化によって、助動詞may beからの派生の例として扱えそうである。 (3)。英語助動詞の縮約は、主語と非主語、非被接続と被接続、単純な名詞句と複雑な名詞句、構成素と非構成素、単音節と多音節などの差を反映したモデル自由型の移行法則の存在することが分かった。H.E.Palmer(1969^3の記述したのが基本的な縮約で、Zwicky(1970)やKaisse(1983)やSells(1983)などの記述したのが派生的な縮約である。範疇の基本性(名詞>動詞>助動詞)が正しいなら、助動詞の基本的縮約すら名詞の複数形をモデルにした拡張であると言える。 2(1).Suiko(1987)で論じた子音と母音の差、音の前後関係、音の長と短、および、子音の0〜1個と2個以上(あるいは0個と1個以上)の差の識別能力は、先天的なものとする訳だが、今のところ、習得や知覚の認知の文献上では、これにとって都合の悪い論議には出くわしていない。 (2)。強勢デ-タベ-スの作成は、研究期間終了後も続行して改良する所存である。
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[Publications] Suiko,Masanori: "Stress in English Phraseーlike Compounds and Compoundーlike Phrases" 『人文』. 36. 30-43 (1990)
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[Publications] 水光雅則: "縮約の基本性と派生性"
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[Publications] 水光雅則: "時の副詞名詞句-追考"