1988 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
63520004
|
|---|
| Research Institution | Senshu University |
|---|
Principal Investigator |
石村 善助 専修大学, 法学部, 教授 (70086958)
|
|---|
| Keywords | 資格 / 資格制度 / 資格法 / 業務独占 / 業務競合 / 無資格活動 / 身分法 / 業務法 |
|---|
| Research Abstract |
本年度は、初年度として、(1)資格制度に関する内外の基本文献の収集に努め、職業史を含む多くの内外文献を得た。(2)それらの文献および研究代表者の所有する文献資料とくにわが国のそれから、明治以降それぞれ長い歴史をもって展開して来た資格として弁護士と医師の2つをとりあげ、これらの資格が国家法上に制度化される過程において近隣ないし先行の諸職種との間に業務独占および業務協会の関連で、どのような問題が生じ、それが最終的にはどのように解決処理されたかについて、文献において知られる事実の範囲内で考察を加えて来た。結論を先取りしていえば、法(法律)は原則としては各職種に名称および業務の独占を許しておきながら、複雑で解決至難の問題に際しては業務競合を事実上容認するという態度を維持して来た。今年度の研究の主要事項は、研究者自身が長年考察を加えたいと考えていたところである。(3)なお本年度は、資格制度の地域による差ー運営の差〓ーという問題をとりあげ、とりあえず試験的に大阪地方につき同市の資格(弁護士・医師)に関する文献資料の収集に同市に赴いた。
ところで、これまでの検討の結果、資格法といわれる分野にはさらに4つの領域が区別されることに気づき、こんごはこの考えにそって問題探究をつゞけることとした。4つの分野とは、(1)身分法ー資格取得の手続、試験・教育に関する規制、(2)業務法ー資格者の業務の実施に関する規制、職場に対する規制、無資格活動への規制、等、(3)団体法ー資格者による団体結成に関する規制、自治の範囲、内部組織、倫理則、懲戒制度、等、(4)責任法ー第三者に対して為された過誤行為に対する責任に関する規律。資格法は原則として、各職種につきこの順序に展開するが、その内容、(2)以下を欠く場合等さまざまの問題がある。この枠組を規準にこんご研究を進めたいと考えている。
|
