1988 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータを利用する法学研究・教育プログラムの開発および情報蓄積のプロジェクト
Project/Area Number |
63520020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 好治 大阪大学, 法学部, 助教授 (40104830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門 昇 大阪大学, 法学部, 講師 (40127212)
野村 美明 大阪大学, 法学部, 助教授 (20144420)
加賀山 茂 大阪大学, 法学部, 助教授 (20169379)
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Keywords | 紛争処理 / 法とコンピュータ / 判例検索 / 法的推論 / 交渉 |
Research Abstract |
(1)紛争処理のための情報収集の実際を知るために、国民生活センター職員、朝日新聞記者、弁護士などを招いて講演・検討会を実施した。その結果、的確で最新の情報を得るには、活字情報よりも電話やインタヴューによって関係者に接触することが最善の方法であることが判明した。このやり方をとるためには、該当問題の専門家、関係団体を索出するためのデータ・ベースを整備することが必要であり、この方面の準備を進めている。 (2)本学部所蔵の外国雑誌、判例集などのデータ・ベースを作成し(約600件)、追録作業を継続している。また、法的推論の実際については、判例分析の方法に関する講演および実習を法情報学の講義の中で実施した。現在のところ、判例分析の要点の整理を終え、フローチャート化する前の段階まで検討が進んでいる。 (3)適切な判例情報などを収集する方法については、判例データ・ベースや、判例および法令のCDーROMを利用して効率的な情報検索方法を検討中であるが、アメリカのシステムに比較するとわが国のシステムは情報の網羅性という面で改善すべきことが多いことが判明した。この問題に対処するためには、コンピュータによる情報収集と他の情報収集方法とをどのように組み合わせるのが望ましいかという点の検討が必要であり、現在のところ個別問題毎に考察を進めることにしている。 (4)法についてコンピュータを利用する場合、言語としてプロログが最も適しているという判断から、法律家向けのプロログ教本の作成・出版の準備を進めている。同書は、平成元年度に公刊される予定である。 (5)紛争処理の枠組の検討を進めているが、市場メカニズムを利用することに関する基礎的文献の邦訳を出版した。
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[Publications] 松浦好治: 法哲学の冒険. (1989)
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[Publications] 門昇: 法図連通信. 20. 4-5 (1988)
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[Publications] 加賀山茂: "法律家のためのコンピューター徹底活用法" 有斐閣, (1989)
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[Publications] カラブレイジ(松浦好治、松浦以津子訳): "多元的社会の理想と法" 木鐸社, 342 (1989)