1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63530058
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
臼井 功 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (90018052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 英作 横浜国立大学, 経営学部, 講師 (20194201)
青山 譲 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (00150954)
東田 啓 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (30018064)
笹井 均 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (10018012)
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Keywords | ネットワーク / 企業集団 / 付加価値通信網 / 範囲の経済 / ネットワーク外部性 / 連結の経済 / ゲームの解概念 |
Research Abstract |
本研究は、日本的経営の特徴の一つである企業の集団化が、従来の系列融資、株式の相互持合、役員派遣などを基軸とした結合形態から、情報の収集、交換を目的とするネットワーク組織に変遷しつつあると言われていることの実態を明らかにし、それを説明する理論モデルを構築することを目的に始められたものである。研究に着手してみると、企業集団および情報ネットワーク組織という言葉が実にさまざまな意味で用いられていて、非常にあいまいな概念であることが明らかになった。そこでまず両者の概念規定を行い、次いで企業間情報ネットワーク組織の実態の把握と、それを説明する理論モデルの構築に取組んだ。これらは文献研究、研究会におけるディスカッション、聞き取り調査などによって行った。その結果、企業間情報ネットワーク組織は、数年前のNTTによる高速ディジタル回線のサービス開始を契機としてスタートしたばかりで、本格的発展の準備段階にあることが明らかになった。したがって、企業集団が情報ネットワーク組織に変遷しつつあると言えるためにはもっと時間の経過をみる必要があることがわかった。一方、企業間情報ネットワーク組織の理論面については、それはここ数年間において新たに提唱された範囲の経済、ネットワーク外部性、連結の経済といった概念でよく説明されることがわかった。これらの概念はそれぞれ独立に提唱された概念であるが、それはいずれも情報とかノウハウとかいった経営資源を共通のキー概念としているので、決して独立の概念でなく、企業間情報ネットワーク組織の理論として妥当性をもつのである。また、企業間情報ネットワーク組織の料金負担問題の解決には、ゲーム理論の解概念が有効であることが分かった。
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[Publications] 臼井功: 貯蓄経済理論研究会年報. 4. 19-36 (1988)
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[Publications] 臼井功: 貯蓄経済理論研究会年報. 5. (1989)
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[Publications] 笹井均: 横浜経営研究. 9. 67-71 (1988)
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[Publications] 青山譲: インベストメント・マネジメント・レビュー. 1. 1-12 (1988)
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[Publications] 大塚英作: 経営数学会誌. 11. (1989)