1988 Fiscal Year Annual Research Report
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63530069
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Research Institution | 富山県立大谷短期大学 |
Principal Investigator |
田中 祥子 富山県立技術短期大学, 応用数学科, 助教授 (00089004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 彰英 富山県立技術短期大学, 応用数学科, 教務職員 (70089035)
松田 重生 富山県立技術短期大学, 応用数学科, 助教授 (70089019)
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Keywords | オプション評価 / ブラックニショールズ / 株式収益率の分布 / ボラティリティ / バイヤス問題 / アト・ザ・マネー / 株価指数先物取引 / 株価指数オプション取引 / 日経225 / TOPIX / SIMEX |
Research Abstract |
(1)年度前半においては、従来からの文献研究を引き続き行い、主としてブラックニショールズモデルの理論値と、市場値の差を問題としたいわゆるバイヤス問題について調査した。諸論者のモデルと検証についての文献の要約の検討は、様式8の〔図書〕の「経営財務と証券市場」の第8章"オプション評価モデルと検証をめぐって"で述べた。すなわち、(i)アト・ザ・マネーでB=Sモデルは適正評価を行う。(ii)バイヤス発生部分について、モデルの正当性、資本市場の効率性、ボラティリティの予測と組み込み方等を検討すべきである。当該研究課題との関連では、財務政策例えば識本構成や配当政醤などのオプション評価への影響など、今後一層の取り組みを必要とするところである。これから要求されるであろう株式個別オプション取引の開始までに何らかの進展を見なけれぱならないと思う。 (2)年度後半は、証券取引所、工業品取引所、証券会社、学会関係者、証券電子機器製造会社などと意見交換を行った結果、それぞれの興味と研究課題を有していることを見出した。例えば取引所は現物とオプション取引による変動相乗効果やバイヤス問題にも関心を寄せているし証券会社は、バイヤス問題には興味を持たず、株式相場の予測の失敗を最も打撃的と考えている。雑誌論文"わが国株価指数先物取引ならびに株価指数オプション取引について"では、大証の日経225、東証のTOPIXの取引記録を観察し、来るべき指数オプション取引の制度についても言及した。 (3)基倍研究の一環として、わが国株式収益率業別週次データについて時系列分析を行った結果、扱ったデータは強ホワイト・ノイズではないという知見を得た。研究続行中につき未発表である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 田中祥子: 富山県立技術短期大学研究報告. 23. 1-7 (1989)
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[Publications] 生駒・榊原 編 田中祥子: "経営財務と証券市場 第9章オプション評価と検証をめぐって" 千倉書房, 1-228 (1988)