1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63530069
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
田中 祥子 富山大学, 経済学部, 教授 (00089004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 重生 富山県立技術短期大学, 応用数学科, 助教授 (70089019)
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Keywords | 日経225オプション / 株価指数オプション / 株式先物取引 / 裁定取引 / プット / コ-ル / ロ-ル・オ-バ- / 金地金価格 |
Research Abstract |
平成元年9月22日,富山大学経済学部において「オプション」ワ-クショップを開催した。全国から30名の参加者があった。南山大学飯原慶雄氏をコ-ディネ-タ-とし,大阪大学池田新介氏“A Functional Approach to APT in a Continuous-TIme Model",南山大学沢木勝茂氏「最適停止問題としてのオプションの権利行使について」,大阪証券取引所八木二郎氏「日経225オプション取引の現状について」の三報告があり,池田氏はBlack=Scholes型のdiffusion approachを用いることによりAPTの多期間化をはかるという基礎的貢献をなし,沢木氏はオプション取引のアメリカンについて投資行動基準についての話題を提供,八木氏は1982年6月より開始された日経225オプション取引の3ヶ月間の経過を,1989年7月の株価急騰時のコ-ルの買いの増加を含めて報告した。 田中・松田の研究は,主として東京,大阪,名古屋三証券取引所,東京工業品取引所のオプション担当者との意見交換と,株価指数オプション取引デ-タの収集ならびに観察を行った。1990年2月26日の株価急落時のオプション取引増加をも含め,いくつかの興味ある局面を見出した。また,ストラドル,プロティクディブ・プット,カバ-ド・コ-ルなどの技法の定着があった。オプションの株価に対する先行指標としての役割を認めるという点で何人かの専門家と意見の一致を見た。 つぎにオプション取引の上場が検討されている金について,重回帰分析により東京市場がニュ-ヨ-ク市場と一日の時差で高度にフィットし東京市場の地方性は無いという知見を得た。また金価格時系列についてランダム・ウォ-ク仮説の検定を自己相関係数分析で行ったが,決定的結論を得なかった。S.Taylorらが主張するように,検定の精度を上げる別の方法が今後とられねばならない。作業は続行中で未発表。
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