1988 Fiscal Year Annual Research Report
複素多様体の研究-特に3次元ファノ多様体の大域的変形
Project/Area Number |
63540003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 郁 北海道大学, 理学部 (50022687)
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Keywords | 射影空間 / ファノ多様体(Eano多様体) / 2次超曲面 / 複素多様体 |
Research Abstract |
3次元複素多様体Xで、K_X=-dL(d23)、K(L)21となるものは、著者の論文(既発表)の中で構造が決定されている。これらの結果はP^3と位相同型な多様体のこうぞう決定する上で重要である。本研究ではこれを更に推し進めて、例えば、P^4の中の3次超曲面に対しても同様の事実を証明しようというものである。則ち、本研究では、K_X=-21、K(X、L)21を考察する。弱い仮定のもとで、h^o(X、L)23が証明され、その結果P^3の時と同様、完全線型系lLlの中の相異なる因子D、D'をとりそのスキーム論的共通部分〓=D〓D'を考察できる。K_X=-dL(d23)の場合には〓の構造が完全に決定され、その結果Xのこうぞう決定できた。d=2の場合には〓の構造は非常に複雑で完全な分類は恐らく不可能と思われるしかし現在1.以下の場合にはほぼ満足すべき分類を得ている。 (1)〓の既約成分の中に種類が1以上のもの、又は特異点を持つ有理曲線のある場合 (2)〓の既約成分Cが有理曲線でLC23、〓はC上非被的 (3)〓の既約成分Cが有理曲線でLC=2、〓はC上非被約、(更に少し制限をつける) 例えば(1)では、〓〓C (2)では7種類〓に分類され構造は完全に記述される。サイクルとしては 〓=2C 又は 〓=3C、又は 〓=2C+C'C'はCと異なる有理曲線) 2.未解決の主な場合は (4)〓の可動成分C_iは有利曲線で、どのC_iも底点集合を通り〓はC_iに沿って被約(部分的な結果がある) (5)〓の既約成分C_iに対してLC┣D2i<1 3.(1)-(3)の場合のXの構造の決定は着手していないが〓の構造が完全に分っているので、それ程実行は困難でないと思われる。〓の形から判断すると射影的な場合に近いと思われる。
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[Publications] 中村郁: Jour.Math.Soc.Japan. 39. 521-535 (1987)
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[Publications] 中村郁: Proc.Japan Academy. 62A. 230-233 (1986)
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[Publications] 中村郁: 1987. 379-404.