1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 幸夫 東京大学, 理学部, 助教授 (20011637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 昇 東京大学, 理学部, 助手
中島 啓 東京大学, 理学部, 助手 (00201666)
坪井 俊 東京大学, 理学部, 助教授 (40114566)
上 正明 東京大学, 理学部, 助手 (80134443)
服部 晶夫 東京大学, 理学部, 教授 (80011469)
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Keywords | 4次元多様体 / ファイバー空間 / インスタントン |
Research Abstract |
ファイバー空間の構造をもつ4次元多様体の研究については、次の2つの進展があった。ひとつは、多重ファイバーのみをもつトーラス・ファイバー空間上の幾何構造の研究である。(上正明)それによれば、そのようなトーラス・ファイバー空間には、8種類の幾何構造が入り、それらの微分同相類も完全に決定される。更に、その幾何構造の変形空間も決定される。ふたつめの進展は、ファイバーが種数2以上の閉曲面であるようなファイバー空間を研究するための手がかりが得られたことである。すなわち、そのようなファイバー空間の特異ファイバーのまわりのモノドロミーとして現われる微分同相写像を、幾何的な言葉で特徴づけることに成功した(松本幸夫他)これにより、トーラス・ファイバー空間の理論を種数2以上の場合に拡張する可能性が開けたといえる。プレプリントは準備中である。ただし、残念なことに、当初予定していた、多重ファイバー2本の場合のトーラス・ファイバー空間の微分同相類に関しては、FriedmanとMorganに先を越された。 Casson不変量に関しての成果は、ザイフェルトホモロジー3球面のCasson不変量の計算に成功したことである。(これは、津田塾大学の福原真二、坂本幸一両氏および松本幸夫の協力によるものである。)この計算結果は、Floerホモロジー理論の研究にも役立つと信ずる。 インスタントン関係では、中島啓によるALE重力インスタントンの研究が進展している。 モジュライ空間上のmetricの研究は難航しており、次年度へ持ち越しとなった。
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[Publications] H.Nakajima: J.Math.Soc.Japan. 40. 383-392 (1988)
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[Publications] H.Nakajima: J.Fac.Sci.Univ.Tokyo Sect.IA. 35. 411-424 (1988)
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[Publications] N.Nakayama: Math.Ann.280. 509-512 (1988)
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[Publications] A.Hattori: Proc.Intern Conf.on Transf.Groups.