1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540061
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐々木 武 熊本大学, 理学部, 助教授 (00022682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 俊明 熊本大学, 理学部, 講師 (60191855)
梅村 浩 熊本大学, 理学部, 教授 (40022678)
吉田 清 熊本大学, 理学部, 助教授 (80033893)
河野 実彦 熊本大学, 理学部, 教授 (30027370)
前橋 敏之 熊本大学, 理学部, 教授 (90032804)
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Keywords | 微分方程式系の幾何的研究 / 射影微分幾何 / 共形接続 / K3曲面 / 青本・ゲリファントの超幾何微分方程式系 / バーコフ・シュレジンジャーの標準型 / 無元次元微分ガロワ群 |
Research Abstract |
本研究課題は微分方程式の幾何的研究を中心とするものであった。その局所的取扱いは、微分幾何的には射影微分幾何または射影空間内の部分多様体の理論として進められる。たとえば2階常微分方程式はIP^1上の点の運動として、3階常微分方程式IP^2内の曲線論として。代表者は、この忘れられていた理論を微分方程式の理論として再考することに力を注いだ。とくに、幾何と方程式の関係がよく理解されるのは、1)IP^n自身2)IP^n内の超曲面、3)IP^n内の特定の余次元をもつ部分及様体の場合であり、本質的には半単純Lie群に関連した取扱い易さにある。1)は射影接続、2)は共形接続の問題である。これらの事柄は、本年度代表者が行ったBrown大での講義にまとめられている。単に幾何の話題としても面白いものである。一方、微分方程式の興味からいうと、1)ではAppell-Lauricellaの超幾何微分方程式が内容豊かである。またケース2)では、この間吉田正章氏(九大理)らと共にK3-曲面の4次元族に関係した微分方程式系を確定することができた。同時に青本和彦-Gel'fandによる微分方程式系の現在のところ最も有用と思われる一系列にあたることがわかってきた。モノドロミー群も決定された。ケース2)にも代表的・解析的に豊かな内容があるといえる。3)についてはわからない。さて、微分方程式の大域的理論という立場からは、河野実彦による線型微分方程式の標準型への簡略化の方法について、吉田清による退化した半線型楕円型方程式の非負解の存在について、梅村浩によるDrach-Vessiotの考察を数学にした微分方程式の無限次元ガロワ群についての仕事などめざましい結果が得られている。他の分担者も各々の立場において大域的幾何の前進に有益な仕事を行った。従って、本研究課題は、当初の目標に比べ十二分な成果をあげたといってよいと考える。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 佐々木武、吉田正章: Math.Ann.282. 69-63,111 (1988)
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[Publications] 佐々木武、松本圭司、吉田正章: Porc.Japan Acad.64,Ser.A. 307-310 (1988)
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[Publications] 佐々木武、原、吉田正章: Funkcial Ekvac.(1989)
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[Publications] 佐々木武、吉田正章: Tohoku Math.J.41. (1989)
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[Publications] 河野實彦: Kumamoto J.Math.2. (1989)
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[Publications] 吉田清: Kumamoto J.Math.2. (1989)
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[Publications] 梅村浩: Algebraic Geometry and commutative algebra in honor of M.Nagata. 771-789 (1988)
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[Publications] 梅村浩: 数学. 41. 1-15 (1989)
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[Publications] 梅村浩: 数理解析研講究録. (1989)
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[Publications] 足立俊明: Kumamoto J.Math.1. 9-24 (1988)