1988 Fiscal Year Annual Research Report
ベイズ・モデルによる電波干渉計データからの画像形成
Project/Area Number |
63540183
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
石黒 真木夫 統計数理研究所, 予測制御研究系, 助教授 (10000217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 正人 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (40023684)
田辺 國士 統計数理研究所, 予測制御研究系, 教授 (50000203)
柏木 宣久 統計数理研究所, 調査実験解析系, 助教授 (50150032)
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Keywords | 電波干渉計 / ベイズモデル / 統計的データ解析 / ABIC / セルフキャリブレーション / 事前情報 / 画像形成 |
Research Abstract |
1.ERIDANUS端末の整備が当初の予定通り進み、統計数理研究所と国立天文台野辺山宇宙電波観測所の間のデータ通信及び遠隔データ処理の態勢が整った。 2.これを活用することによって、電波干渉形データからの画像形成方式として、現在実用化されている方法を統計学の立場から再点検する作業を効率的に進めることが出来た。この過程で、統計学が関わりを持つ他の分野におけるデータ解析との共通点、電波干渉計データ解析特有の問題点等を明らかにすることが出来た。 3.電波源分布からデータが得られるまでの物理過程を点検することによって観測方程式を組立、この過程にノイズが混入する経路を考慮してモデル化することによって、統計学の用語で言う「データ分布」を構成することができた。 4.電波源分布の推定に当たって利用可能な事前情報を統計学的に定式化する事によって「パラメータの事前分布」を構成することができた。 5.「パラメータの事前分布」の記述に必要となった「準ガウス分布」の設計に関する考察を行った。 6.事前情報の利用方法として従来から実用化されているセリフキャリブレーションとして知られる処理手法を、客観的な統計的情報処理手続きとして洗練する必要があることが判明したので次年度以降の研究課題とすることにした。 7.単なるハードウェア/ソフトウェアの相互提供というだけでは、データ解析の実施にあたって重要な、問題意識、やノウハウに、属する部分を、統計学と天文学という、二つの分野の研究者が互いに了解することは難しい。共同作業をすすめる中で相互の知識の交換を行うための、機会を作るための重要な手段として、旅費を有効に使うことができた。
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