1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540184
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土佐 誠 東北大学, 理学部, 助教授 (50022728)
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Keywords | 銀河 / 乱流 / 気体力学 / 星間ガス雲 / 重力多体問題 / 乱流ダイナモ / 銀河磁場 / 渦状密度波 |
Research Abstract |
1.銀河乱流の発生・加速と銀河内のガスの流れ。銀河乱流(ガス雲の無秩序運動)の発生と加速の様子を調べるために、銀河星間ガスをガス雲の集団としてモデル化し、重力多対問題としてコンピューターシミュレーションを行なった。ガス雲同志の重力相互作用によって、銀河乱流運動が増大する様子を詳しく解析した。ガス雲の集団を巨視的に見ると、ガス雲の重力相互作用により粘性が生じ、粘性によって銀河回転の運動エネルギーがガス雲の無秩序運動(銀河乱流)の運動エネルギーに転換されると解釈できる。これらの性質は、粘性流体と本質的に同じもので、銀河乱流の発生は、粘生流体の加熱と非常に良く対比出来ることが解った。ガスの表面密度が大きい場合には、ガス雲が集まって大きな密度揺らぎ(一時的なガス雲の集団)を生じ、ガス雲の集団同志の重力相互作用が銀河乱流の加速を促進することが解った。このとき、粘性トルクによる動径方向の各運動輸送が盛んになり、銀河面内のガスの再配分が促進されて、ガスが中心に向かって能率良く流れ込む事が明らかになった。 2.乱流ダイナモによる銀河磁場の発生と大局的磁場構造。乱流ダイナモ機構によって生成される銀河磁場の大域的な構造(大域的モード)の性質を調べた。M51の様な回転曲線を持つ銀河では、中心域でα効果が重要であることを示した。大域的な非軸対称モードは、軸対称モードに比べて、成長率が低く,さらに、磁場が半径方向の非常に狭い領域に局在することが解った。従って、従来の乱流ダイナモ機構では、渦状銀河に支配的に観測されている渦状磁場を再現できないことが決定的になった。乱流ダイナモに及ぼす渦状密度波の効果を調べた結果、いくつかの条件が満たされれば、密度波によるダイナモパラメータの振動は非可逆的にダイナモ作用と結合し、磁場の生成が著しく促進されることが解った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Fukunaga: Publ.Astron.Soc.Japan. (1989)
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[Publications] M.Chiba: Mon.Not.R.astr .Soc,. (1989)
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[Publications] Fukunaga,M.: Publ.Astron.Soc.Japan.(1989)
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[Publications] Tosa,M.: Geophys.Astrophys.Fluid Dynamics. (1989)
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[Publications] Kimura,T.: Mon.Not.R.astr.Soc.234. 51-65 (1988)
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[Publications] Kumai,Y.: Astrophys Space Su.143. 257-268 (1988)