1989 Fiscal Year Annual Research Report
星周辺塵雲の起源と進化と銀河における惑星系の起源の研究
Project/Area Number |
63540193
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中野 武宣 京都大学, 理学部, 助教授 (30027346)
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Keywords | 太陽系起源 / 惑星系 / 星周塵 / 赤外線天体 / かが座ベ-タ星 |
Research Abstract |
かが座β星は原始惑星系と思われる塵雲を伴った星の代表的なものである。この塵雲の密度分布について調べた。この塵雲の中央面に沿う散乱光の輝度分布はI(ε)OC^<εーp>(p=3.6ー4.3、εは星からの離角)で近似できる。この塵雲の中央面上での密度分布n(r)(rは星からの距離)についてはこれまで2つの説があった。1つは塵による光の散乱がほぼ等方的だとして、観測されたI(ε)を説明できる密度分布n_<oc>r^<ー3>を導いた。もう1つの説は散乱光の強度を視線に沿って積分した式を反転し、散乱微分断面積について解いた式を使う。この反転方程式にI(ε)の観測値とn^<oc>r^<ー3>を代入して得られる断面積は小さい散乱角で奇妙な振舞をする(例えば負になる)ので、この密度分布は受け入れられないが、n^<oc>r^<ー1>ならそのようなことはなく、受け入れられる。と結論した。私は反転方程式を再検討し、その正しい解を求め、次の結果を得た。 1)輝度分布I(ε)ocε^<ーp>を導くことができる単位体積当たりの散乱断面積nσの分布は、通常(次の2で述べる場合を除いて)r^<1ーp>に比例する。この分布に対し反転方程式が奇妙な散乱断面積を与えた原因は次のように考えられる。観測されたI(ε)は完全なベキ則でなく、ベキpの値は外の領域でやや大きい。このような輝度分布をベキ則のnσで再現するためには奇妙な断面積が必要だったのである。輝度分布のベキ則からのずれは、nσのベキ則からのずれ、円盤の大きさの有限性等に帰すべきである。 2)nσocr^<ー1>のような緩やかな分布によって観測された輝度分布が再現されるためには、塵の散乱断面積は黄道光の観測から推定された惑星間塵の断面積よりも前方散乱のはるかに強いものでなければならない。 以上のことから、nσocr^<ー3>という分布は第0近似として妥当だと結論できる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 中野武宣: "Formation of planets around stars of various masses.II." Monthly Notices Roy.Astr.Soc.230. 551-571 (1988)
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[Publications] 中野武宣: "Conditions for the formation of massive stars through nonsphevical accretion" Astrophysical J.345. 464-471 (1989)
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[Publications] 中野武宣: "Magnetic braking of the rotation of molecular cloud cores" Monthly Notices Roy.Astr.Soc. 241. 495-505 (1989)
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[Publications] 中野武宣: "Contraction of rotating magnetized clouds" Monthly Notices Roy.Astr.Soc. 243. (1990)
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[Publications] 梅林豊治: "Magnetic flux loss from interstellar clouds" Monthly Notices Roy.Astr.Soc.(1990)
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[Publications] 中野武宣: "The density distribution in the Beta Pictoris dust disk" Astrophys.J.(Letters). (1990)