1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柳田 勉 東北大学, 理学部 (10125677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 太彦 東北大学, 理学部, 教授 (70108447)
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Keywords | 宇宙のバリトン数 / ニュートリノの質量 / リュートリノ振動 |
Research Abstract |
弱電磁相互作用を統一するワインバーグ・サラム理論には、量子効果によりバリオン数を破る効果が生成される。最近、この効果が高温で大きなバリオン数の破れを生じることが指摘されている。この主張が正しいとすると、宇宙の初期に生成された宇宙のバリオンが温度T〜100GeVで、全部打ち消されてしまう。とこずが今までの所、このバリオン数の破れの大きさの計算に現れるエントロピーファクターは計算されていない。我々は、このエントロピー項の詳しい計算を行いその一部をPhysical Reviewに発表した。その結果、上に述べた主張は正しいものであることが分かった。しかし、もし宇宙初期にバリオン数とともにレプトン数も生成され、しかもその差が有限ならば宇宙のバリオン数の一部が残ることが分かった。これは宇宙進化のある段階でバリオン数のみならずレプトン数も大きく破れていた事を意味する。SO(10)の統一理論ではこのようなB-Lの破れが起ると期待される。この模型では右巻ニュートリノが大きなマヨラナ型の質量を持ち、その結果レプトン数が破れるためである。 SO(10)大統-理論のように右巻ニュートリノが大きなマヨララ質量を持てば、宇宙のバリオン数の一部を現在まで残せる。この場合左巻ニュートリノが極めて小さな質量を持つことになる。このような観点から、太陽ニュートリノ問題の解の一つであるニュートリノ振動を詳しく研究した。
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[Publications] M.Fukugita: Physics Letters B. 206. 93-96 (1988)
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[Publications] R.Barbieri: Physics Letters B. 213. 69-72 (1988)
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[Publications] T.Akiko: Physical REVIEW D. 38. 1937-1941 (1988)
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[Publications] T.Hatsuda: Modern Physics Letters A. 12. 1133-1136 (1988)