1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540204
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
吉田 思郎 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (60091766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 良雄 山形大学, 教養部, 助教授 (10113961)
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Keywords | 複合核反応 / 前平衡過程 / 直接相互作用 / 準位密度 / 2次モ-メント |
Research Abstract |
西岡・Weidenmiilleyとの共同研究で前平衡過程の新らしい方法による定式化を進めてきたが、今年度は直接相互作用の多段階複合核反応への影響を調べた。断面積に含まれる透過行列は多段階直接過程の遷移行列により与えられる。この結果入射粒子は多段階直接過程で一,二回散乱されてから複合核系に吸収されるものが重要であることが分った。又多段階複合核過程で終状態のエネルギ-が高いと,反応断面積は統計的に準位密度を使って記述出来ることが示された。断面積は直接項と間接項より成るが,このような場合には後者は無視出来る程小さいことが分った。これらの結果はNishioka et al.2.Physikに発表予定の論文にのっている。 エキストン数がきまった準位密度の計算は,高橋・佐藤と協同で進められているが,角運動量,パリティと荷電数(以後量子数とよぶ)を考慮に入れた計算コ-ドを作成し,^<40>Caと^<208>pbについて数値計算を行った。核模型として殻模型に核子核子相互作用として,ランダム相互作用を考える。まず2次モ-メントを量子数を考慮して計算する。これには尤大な計算時間がかかり,エキストン数が小さい場合しか事実上計算が出来ないことが分った。しかし散乱に関与する粒子と,他の粒子との間のパウリ原理を無視すると,非常に計算が早くなり,状態数も同じ近似で計算すると,2次モ-メントは非常に正確に求められることが,エキストン数の小さな場合の正確な計算結果と比較することにより,確かめられた。これで準位密度の計算が実際上可能になった。結果は独立粒子模型で得られた準位密度に,ランダム相互作用によるエキストン数の混合が中程度におこることを示している。実験デ-タ-との比較にはもっと計算をしなければならないが,最近行われた^<208>pb(p,p')で12^+の準位を励起する実験デ-タ-を説明することが出来ることが分った。これらはSpecialists's Meeting in Nuclear Level Densities,Bologna,Nov.15-17(1989)で口頭発表された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nishioka,H.,: "Direct-Reaction Effect,in Compound-Nucleus and Multistep Compound Reactions" Ann.of Phys.193. 195-205 (1989)
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[Publications] Sato,K.,: "Average Partial Level Density Based on the Random Matrix Model-Inclusion of Realistic One-Body Spectra and Effect of Particl Escape" Z.Physik A. 333. 141-148 (1989)
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[Publications] Takahashi,Y.,: "Statistial Theory of Decay of Giant Resonances" Nucl.Phys.A.
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[Publications] Nishioka,H.,: "Transmission Coefficients in the presence of Multistep-direct Reactions." Z.Physik A.