1989 Fiscal Year Annual Research Report
シミュレ-トされたアニ-リング模型によるマルテンサイト変態の研究
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63540261
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| Research Institution | Nara Medical University |
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Principal Investigator |
赤井 久純 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (70124873)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 建男 大阪大学, 理学部, 助教授 (20093487)
平井 國友 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60156627)
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| Keywords | シミュレ-テッド・アニ-リング模型 / 遷移金属・合金 / マルテンサイト変態 / 電子状態 / 分子動力学 / KKR-CPA / 相の安定性 |
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| Research Abstract |
動的にシミュレ-トされたアニ-リング模型(DSAM)を用いて遷移金属・合金のマルテンサイト変態の微視的機構を明らかにすることが目的である。DSAMは第一原理に基づいた電子状態の計算に分子動力学的学的手法を適用するものであるが、これまでもっぱら電子波動関数の平面波展開が能率良く行える系に対して用いられてきた。平面波展開の難かしい遷移金属にこの方法を適用するための理論的枠組みを整備することがまず必要であった。今年度は(1)シミュレ-トされたアニ-リング模型を遷移元素系に適用するための基礎的手法の開発を行ってきた。どのような基底関数を用いるかがポイントであるが、DSAMを用いるためには、高速で計算できることとイオン芯に働く力を計算できることが必要である。いくつかの候補を検討したが、最も可能性のある方法として、擬ポテンシャル法に(互いに重なり積分を持たない)局在軌道を補助軌道として導入することを行なってきた。このような取扱いで遷移金属のバンド構造を現実的な数の平面波で表わすことができることを示した。(2)別の可能性として従来のKKR法を用いる可能性を検討した。ポテンシャルの球対称からのずれを考慮する必要があり、それを摂動論的に取り扱う計算機コ-ドを前年度に引続き開発中である。これらとは独立に(3)マルテンサイト変態を起こす種々の合金についてKKR-CPA法を用いて電子状態の計算をおこない、基底状態での格子定数、生成熱、相の安定性、磁気的性質を調べた。得られた結果はいずれも実験と比較して妥当なものであり、CPAの意味での有効媒質が理論の良い出発点になっていることが明らかになった。これはまた、有効媒質中の原子対相互作用を考えることによって、第一原理に基づいて、結晶構造の安定性や熱力学的性質を議論しようとする方法への光鞭をつけるものでもある。
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[Publications] H.Akai: "A Fast KKR-CPA Method and Electronic Structure of Transition Metal Alloys" Materials Science Forum. 37. 211-221 (1989)
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[Publications] H.Akai: "Fast Korringa-Kohn-Rostoker Ciherent Potential Approximation Method and Its Application fo fcc Ni-Fe Systems" J.Phys:Condensed Matter. 1. 8045-8063 (1989)
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[Publications] H.Akai,P.H.Dederichs and J.Kanamori: "Magnetic Properties of Ni- and Co Alloys calculated by KKR-CPA-LSD Method" J.de Physique. C8. 23-24 (1989)
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[Publications] K.Hirai: "Unenhanced Spin Susceptibility Consideration of the Spin Density Wave state in fcc Fe" J.of Physical Society of Japan. 58. 4288-4291 (1989)
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[Publications] T.Jo: "Spatial Modulation of Muitiple-O Spin Density Cpupled with Lattice Distortion,and Magnetism of γ-Fe Precipitated in Cu" J.Physics:Condensed Matter. 1. 7971-7975 (1989)
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[Publications] T.Jo: "Effect of Valence Mixing on Multiplet Structure in the 4d Core Photoabsorption Spectra for Ce Compounds" J.Physical Society of Japan. 58. 1452-1463 (1989)
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[Publications] P.H.Dederichs,H.Akai, S.Bluegel, N.Stefanou and R.Zeller: "“Alloys Phase Stability",G.M.Stocks and A.Gonis(eds)" Kluwer Academic Publishers, (1989)
