1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540277
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本庄 春雄 九州大学, 教養部, 助手 (00181545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 正之輔 九州大学, 教養部, 助教授 (30006275)
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Keywords | 樹枝状結晶成長 / 非平衡統計力学 / 非線形物理 / 拡散場中の形態形成 / フラクタル |
Research Abstract |
1.導伝性ガラス、サファイアガラス等で構成した2次元的な結晶成長セルを作成し、ロックインアップ、マイコン等で高精度の温度制御システムを作成した。 2.レーザーを用いた光学系で、NH_4CL水溶液から樹枝状結晶が成長しているときの濃度場を視覚化し、その画像をV.T.R.に取り込んだ。 3.マイクロコンピューターを用いて画像解析し、結晶成長時の濃度分布や成長様式の定量化を行っている。 以上のシステムで現在、様々なシュリーレン法を用いてNH_4CL樹枝状結晶が成長しているときの拡散場を測定中であ。。樹枝状結晶の研究も結晶形態の測定だけにたよる方法から、拡散場という結晶周辺の場を測定することにより新たな研究段階に入ることができた。 この間、樹枝状結晶の成長様式で新たな知見が得られた。亜鉛の2次元電界析出でdense-radialパターンが報告されているが、NH_4CL樹枝状結晶成長においても類似の成長様式が認められた。過飽和度を大きくして、〈100〉成長と〈110〉成長が混在するtip-splitting領域にし、かつ、多数の主幹が成長できるほど大きな2次元系で成長させるとdense-radialになることがわかった。この形態は亜鉛の電解析出と比較すると、結晶先端が分岐して成長し、全体の包落線は安定に維持されるが、dense-radial成長している領域の側面は普通の樹枝状で成長するという、異方性の強い成長様式であることがわかった。 現在、通常の樹枝状結晶が成長するときの濃度場を測定中であるが、この測定技術はより複雑な成長様式のtip-splitting成長を研究するときに非常に重要である。この成長はカオス的な成長様式を示す場合があり、このとき、成長形態の様子だけでなく拡散場も同時に測定することにより、拡散場が形態形成に及ぼす影響を定量的に調べることができる。
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[Publications] S.Ohta;H.Honjo.: Physical Review Letters. 60. 611-614 (1988)
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[Publications] M.Matsushita;H.Honjo;S.Ohta.: Electrochem.Soc.Extended Abstracts.88-1. 408-408 (1988)
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[Publications] 本庄春雄: 表面科学. 9. 8-16 (1988)
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[Publications] 本庄春雄: 物性研究. 50. 56-59 (1988)
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[Publications] H.Honjo;S.Ohta.ed.by K.Kawasaki: "Formation,dynamics,and statistics of patterns" World Scientific, (1989)