1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540280
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
米沢 富美子 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10027344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能勢 修一 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (30172795)
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Keywords | アモルファス / 超格子 / 光吸収係数 / アーバック裾 / 太陽電池 |
Research Abstract |
太陽電池の効率向上などと関連してアモルファス半導体およびアモルファス半導体超格子の光吸収係数の理論的研究を行った。今年度は特に次のような問題に焦点をあてて研究を進めた。 電子に対する2バンド強結合ハミルトニアンを、 H=Σ__<μ=c,v> H_μ=Σ__μ[Σ|iμ>ε.^μ<iμ|+Σ|iμ>Vij^μ<jμ|と書く。c、vはそれぞれ伝導帯、価電子帯、|iμ>はi番目の原子のμバンドのワニア関数とする。アモルファスな構造による乱れの効果はεi^μの乱れで表わし、Vijは、超格子の層に平行なものは一定、垂直なものは0から1まで変化させる。0は2次元に相当し、1は3次元に相当するので、この変数を変えることにより、系の次元性を反映させることができる。対角項の乱れの大きさや、Vijの変化によって、吸収係数の裾の様子がどのように変るかを調べた。 1)次元性の変化ーー層に垂直な方向のVij〓V_<11>の変化とともに、次元性が3次元ー→2次元に移るとき、吸収係数の幅は広くなる。これは低次元系ほど、乱れの効果の物性への影響は大きいことになる。 2)乱れの大きさの変化ーーバルクの場合同様、乱れの程度が大きい程吸収係数の裾は広くなる。 これらのことから、太陽電池の効率を向上させるには、 1)超格子の井戸層のばらつきを小さくする 2)井戸層とバリヤ層の間の界面のミスマッチの効果を小さくする などが考えられる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 米沢富美子,佐藤文俊: Journal of Physical Society of Japan. 57. 1797-1813 (1988)
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[Publications] 米沢富美子,佐藤文俊: Philosophical Magazine. (1989)
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[Publications] 米沢富美子,石田慶子,佐藤文俊: International Journal of Modern Physics B. (1989)
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[Publications] 米沢富美子,坂本昇一,青木圭子,能勢修一,堀孝夫: Journal of Non-Crystalline Solid. 106. 262-269 (1988)
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[Publications] 米沢富美子,坂本昇一,堀孝夫: Plysical Review B. (1989)
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[Publications] 米沢富美子,坂本昇一,堀孝夫: Physical Review B. (1989)
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[Publications] 米沢富美子: "アモルファスな話" 岩波書店, 1-144 (1988)
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[Publications] 米沢富美子 他: "「物理学最前線19」準結晶" 共立出版, 1-197 (1988)