1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540284
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
鶴淵 誠二 東京農工大学, 工学部, 助教授 (60028248)
|
Keywords | モノシランガス / 電子衝突 / 発光断面積 / 真空紫外域 / 解離過程 / 励起状態 / 禁制遷移 / ライマン系列 |
Research Abstract |
平成元年度は、主として真空紫外域の発光断面積の絶対値を精度よく求めること、および発光断面積のエネルギ-依存性の測定を、しきい値から1000eVまで精度良く行なうことに重点を置いた。以下の点が平成元年度の主な研究結果として挙げられるであろう。 真空紫外域の波長感度較正は、H_2の帯スペクトルの強度分布を測ることにより決定された。得られた波長感度曲線に対する信頼性はAr原子の共鳴線(4s→3p遷移)および、3s内殻電離に対する発光断面積の絶対値等を測定することにより、注意深く検証された。 シラン分子から解離した水素原子のライマン系列に対する発光断面積は、衝突エネルギ-が100eVに於て、H原子の主量子数nに対してQ_<em>〓n^<-3.3>の様に振舞うことがわかった。この事実の物理的背景が詳細に議論された。その結果、スペクトル線の発光強度(エネルギ-強度)についての考察からSiH_4の不安定高励起状態の占有率が、ほぼ、統計的な分布をしている時に、上述の断面積の振舞いが可能であるということがわかった。 励起関数が持つ微細構造を精度よく測定できた。H原子の励起関数には、低エネルギ-側では、少なくとも3つの「しきい値」があることが判明し、それについての議論がなされた。また励起H原子の高エネルギ-側の振舞いをBethe-plotを用いて解析した。その結果、シラン分子の基底状態から双極子禁制遷移で励起される不安定励起状態が励起H原子の解離生成過程に大きく寄与しているということが判明した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] S.TWURUBUCHI,K.MOTOHASHI,S.MATSUOKA.T.ARIKAWA: "Dissociative Excitation of SiH_4 molecule by Electron Impact" Atomic Collision Research in Japan. 15. 15 (1989)
-
[Publications] 鶴淵誠二,本橋健次,松岡茂樹,蟻川達男: "電子衝突によるSiH_4分子の解離過程" 日本物理学会秋の分科会(鹿児島大学)講演予稿集. 4. 71 (1989)
-
[Publications] 鶴淵誠二: "電子衝突によりSiH_4分子から解離したH原子のライマン系列に対する発光断面積" 「応用物理」. 59. (1990)