1989 Fiscal Year Annual Research Report
Belousov-Zhabotinsky反応における波動電播の実験的研究
Project/Area Number |
63540286
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
長島 弘幸 静岡大学, 教養部, 教授 (20015811)
|
Keywords | Belousov-Zhabotinsky反応 / 反応拡散系 / 非平衡開放系 / 散逸構造 / 非線形力学 |
Research Abstract |
本年度は研究計画に基づきI)BZ反応の実験、および次年度に予定していたII)BZ反応の計算機シミュレ-ションの双方を行なった。II)の実施を早めたのは、I)で示されている。ペ-スメ-カ-によるタ-ゲットパタ-ンの波長の制御および、新たに発見された“波全体の消滅現象"の機構を知るには、計算機シミュレ-ションを急いだ方が良いと判断した為である。この理由により本年度の研究の半分位の労力をプログラム開発およびそのテストに費やした。 BZ反応の基本となる式は、オレゴンのクル-プのField、KorosおよびNoyesらの化学反応過程より導出したスキ-ム(オレゴネ-タ-)に拡散項を付加したものである。 (dy)/(dq)=S^<-1>(-η-ηα+fp)+D_1V^2η (dp)/(dq)=ω(α-p)+D_2V^2p およびα={(1-η)+〔(1-η)^2+4qη〕^<1/2>}/2qである。本来のオレゴネ-タ-は三変数であるが、計算時間を短縮する為に二変数近似を用いた。また、オレゴネ-タ-はいわゆる“固い"(stiff)方程式であり、通常用いられるルンゲ・クッタ法では積分できず、ここでは陰解法であるゲア-法を用いた。プログラムは現在、実際の受験結果と比較し得る段階になりつつあり、現在ペ-スメ-カ-の径に対する発生波長の変化を調べているが、ほぼ実験と同様な傾向が得られていることが注目される。今後再にプログラムの信頼性を高め、波長変化の機構や、更に実験で発見した。波の消滅現象の機構解明に役立てたい。
|