乱流の大規模渦構造の形成と発達機構

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 63540291
• Research Institution: Hiroshima Institute of Technology
• Principal Investigator: 二神 種弘 広島工業大学, 工学部, 教授 (20104078)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 巽 友正 京都工芸繊維大学, 事務局, 学長 (90025213)
• Keywords: 乱流 / 渦構造 / 管内流 / 層流 / 不安定性 / 臨界レイノルズ数 / 臨界アスペクト比 / リモートセンシング / 画像解析

Research Abstract

1)大規模渦構造の非線形解析および数値解析(分担:巽,協力:山田)乱流の大規模渦構造として、当初計画していた「乱流混合層における2次元渦構造」に代えて、「管内流における3次元渦構造」を先に取上げることとし、今年度はその第一段階として、「長方形管内の層流とその安定性」について、主として数値計算による研究を行った。
方法としては、流れの速度を、長方形断面内の二つの直交軸方向にルジャンドル関数に展開し、その係数およびパラメーターの固有値を、運動方程式および撹乱方程式から決定することとした。
まず、層流の速度分布については、断面のアスペクト比a=1,2,3,4,5,10,20,30,の場合について数値的に計算し、速度分布、等速度線、流量を計算し、さらに、高アスペクト比(a≧5)に対する速度分布と流量の漸近評価を行った。また、従来の計算結果と比較し、従来の結果の有効範囲での一致を確かめた。
管内層流の安定性については、予備的な計算を行った段階であるが、a≧4において流れは不安定であり、臨界レイノルズ数はそれぞれ、a=4でRe〓18,000、a=5でRe〓10,000、a=6でRe〓8,000となることを見出した。したがって、臨界アスペクト比はa_c=3〜3.5の程度であると思われる。今後は、固有値のより正確な値と、撹乱の振幅関係を算出する予定である。
2)自然環境における渦構造のリモートセンシング解析(分担:二神)
自然環境における渦構造のリモートセンシング解析を行うに先立ち、模型水槽内のKarman渦列の写真画像解析によるリモートセンシングを行い、リモートセンシングによる渦の観測法の工夫をした。この観測法を発展させ、人工衛星からのCCTデータ等を用いて、海流、雲などの自然環境における各種渦現象の観測解析を進めている。

Research Products

• [Publications] T.Tatsumi: Fluid Dynamic Research. 3. 273-281 (1988)
• [Publications] 吉村卓弘,巽友正: 日本流休力学学会誌「ながれ」. 8. (1989)
• [Publications] T.Futagami: Proceedings of the International Conference on Computational Method in Flow Analysis. 1. 193-200 (1988)