1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540299
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
河野 芳輝 金沢大学, 理学部, 助教授 (80019489)
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Keywords | 重力異常 / 日本列島 / 地下構造 / 地震予知 / 地震活動 / 地下資源探査 / 地質構造 / デ-タベ-ス |
Research Abstract |
1.これまでの経緯:15年前から野外測定を行なうとともに、これまでに重力測定を行なった公的機関を訪ね、交渉し、可能なところから測定デ-タを提供して頂き、それらを入力し、「数値的コンパイル」(デ-タ処理法の統一、測定値の吟味、誤デ-タの除去、使用しやすい形態への変換など)を行なった。この結果、国内における公的機関による重力測定値の90%は編集できたと判断される。ただし、一、二の機関からは、諸般の事情により全面的な資料の提供を受けることが出来なかった。 2.本研究の意義:重力異常は、基本的には「地下にある物質密度とその量の違い」すなわち地下構造を表す物理量である。したがって、純理学的なアイソスタシ-、ジオイド、地殻構造などの研究から、実用的な温泉、地下資源の探査まで、様々な利用価値がある。本研究では、特に「日本列島における地震予知研究の基礎」として地下構造を詳しく知ることが重要と考え、その目的にあう精度で測定とコンパイルを行なった。 3.本研究費による研究の経過:本研究費の範囲では、(1)測定値の不足している地域(北海道から九州までのそれぞれ一部)において1500点以上の測定を行なった。(2)縮尺100万分の1重力異常図を作成するとともに、基礎デ-タについて20万分の1地勢図単位で編集しデ-タベ-ス化した。(3)利用者の便を考え、断面図、分布図、地下構造解析などを普通のパソコンで行なえるようソフトウエアの整備を行なった。 4.研究成果:総計50万点のデ-タを用いて、画期的に詳しい重力異常図を作成できた。国際的には第125回国際測定学協会(1989、エディンバラ)において発表すると共に、東京大学出版会から縮尺100万分の1カラ-重力異常図(3葉)、同縮尺の地震活動図(OHP用紙30枚)、解説書(88P.)を出版した。これは国際的にも十分通用するものである。本研究はこれで完了と言うわけではなく、いっそうの充実が必要である。
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[Publications] 河野芳輝: "日本列島の重力異常-日本での重力測定100年-" 科学. 58. 414-422 (1988)
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[Publications] 大久保義弘: "跡津川断層周辺のブ-ゲ異常と地殻構造" 地震II. 41. 87-102 (1988)
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[Publications] 大久保義弘: "金沢を基点とした北上山地周辺の一等重力点結合-重力定数の改定効果-" 測地学会誌. 34. 1-9 (1988)
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[Publications] 角南基亮: "能登半島南部邑知低地帯周辺の重力構造" 地震II. 41. 173-178 (1988)
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[Publications] 古瀬慶博: "水平方向の密度変化を考慮した重力インバ-ス法による3次元地下構造解析" 地震II. 42. (1989( ))
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[Publications] Yoshiteru KONO: "Digital Compilation ofGravity Data over the Japanese Islands" Proc/125 Intn.Association of Geodesy(Edinburgh 1989). (in press). (1990(inpress))
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[Publications] 河野芳輝: "100万分の1日本列島重力異常図〔I.カラ-重力異常図3葉、II.地震、活動図30枚(OHP)、III.解説書88頁〕" 東京大学出版会, 88 (1989)