1988 Fiscal Year Annual Research Report
テスト粒子シミュレーションによる人工衛星EXOS-CとICEのデータ解析
Project/Area Number |
63540320
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
賀谷 信幸 神戸大学, 工学部, 助教授 (30093503)
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Keywords | テスト粒子シミュレーション / 人工衛星EXOS-C / 人工惑星ICE / MHD波 / ホイッスラー波 / 降下粒子 / オーロラ / 動画 |
Research Abstract |
本研究の目的は大きく二つに分けられ、一つは人工衛星EXOS-CとICEで観測された物理現象のテスト粒子シミュレーションであり、もう一つは計算機シミュレーション全般にとって必要不可欠な計算結果の画像化処理システムの開発である。本年度はテスト粒子シミュレーションに関して、アメリカの科学衛星ICEにより観測されたジャコビニ彗星の近傍での大振幅MHD波の解明に主力をそそぎ、EXOS-Cのデータに関してはモデルの検討を行った。一方画像化処理システムはハードウェアの設計を行った。 大振幅MHD波のテスト粒子シミュレーションの結果、興味深いホイッスラー波の励起過程が解明された。現象としてはジャコビニ彗星に近づくにつれ、大振幅MHD波に高周波のホイッスラー波が観測された。このホイッスラー波の励起過程として色々な考えが提案されているが、彗星から放出された水イオンによるサイクロトロン共鳴の可能性もある。そこでこれらの励起過程を検討するためにテスト粒子シミュレーションをおこなった。観測事業より磁場モデルは直接偏波の大振幅MHD波と円偏波のホイッスラー波で構成した。計算は彗星から放出された水イオンの動きを追跡した。彗星から放出された水が電離した時点では、サイクロトロン共鳴速度より遙かに速い相対速度をもつため共鳴を起こさない。しかしながら一部の水イオンは大振幅MHD波により徐々にピッチ角をたて、ホイッスラー波に達した時にはMHD波の伝搬方向に対し共鳴速度まで減衰され、ホイッスラー波にトラップされる。トラップによりさらに一部のイオンはホイッスラー波からMHD波に押し戻され、ホイッスラー波にエネルギーを与えることになる。 次年度はEXOS-Cのデータ解析と画像化処理システムを完成させる予定である。
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Research Products
(1 results)