1988 Fiscal Year Final Research Report Summary
高活性ビタミンE誘導体の合成と抗酸化機構の速度論的研究
Project/Area Number |
63540345
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
向井 和男 愛媛大学, 理学部, 教授 (70036193)
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Project Period (FY) |
1988
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Keywords | ビタミンE / トコフェロール / ビタミンC / 抗酸化剤 / 抗酸化活性 / ESR / ストップドフロー / 過酸化脂質 |
Research Abstract |
1)高活性ビタミンE誘導体の合成と活性 ビタミンEの中で最も高い抗酸化活性を示すものはα-トコフェロールである。α-トコフェロールはαBHTなど他の多くの合成抗酸化剤と比べても数百倍の高い活性を示す。すでに我々はフラン骨格を有するビタミンE誘導体を合成し、α-トコフェロールよりも高い抗酸化活性を持つ化合物を数種見い出している。本研究では新しくフラン骨格を有するビタミンK誘導体を合成し、初めてα-トコフェロールの10倍を越える活性を持つ抗酸化剤を見い出した。 2)ビタミンEラジカルのビタミンCによる修復反応 ビタミンEラジカルをミセル中で発生させ、ビタミンCによる還元反応をPHを変えて測定した。その結果、ビタミンCは一価の陰イオンの状態でビタミンEラジカルを修復することを初めて明らかにした。 3)ビタミンEラジカルと脂質ヒドロペルオキシドの反応 我々の研究室で新しく合成した安定ビタミンEラジカルを用い、初めてアルキルヒドロペルオキシドからの水素引き抜き反応の速度定数を求めることに成功した。この反応は脂質過酸化ラジカルのビタミンEによる消去反応の逆反応であり、生体内で起る重要なKey反応の一つを初めて速度論的に評価したことの意義は大きい。 4)ビタミンEラジカルと不飽和脂肪酸の反応 ビタミンEラジカルと多量に加えると、脂質の過酸化が促進されると言う報告がある。本研究ではビタミンEラジカルによる不飽和脂肪酸の活性メチレンの水素引き抜き反応を測定し、初めてそ速度論的評価に成功した。その結果から脂質過酸化を促進するメカニズムについての議論を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Mukai.: The Journal of Organic Chemistry.53. 430-432 (1988)
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[Publications] K.Mukai.: Chemistry and physics of Lipids. 46. 31-36 (1988)
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[Publications] K.Fukuzawa.: Archives of Biochemistry and Biophysics. 260. 146-152 (1988)
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[Publications] K.Mukai.: Biochemical and Biophysical Research Communications. 155. 1046-1050 (1988)
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[Publications] K.Mukai.: The Journal of Organic Chemistry. 54. (1989)
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[Publications] K.Mukai.: The Journal of Organic Chemistry. 54. (1989)