1988 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界キセノンを溶媒とする赤外吸収法による分子のコンフォメーションの研究
Project/Area Number |
63540362
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井川 駿一 北海道大学, 理学部 (90001841)
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Keywords | 高圧赤外用流体セル / 高圧赤外用窓板 / 炭酸ガス流体 |
Research Abstract |
1.高圧赤外セル装置を下記の仕様で設計し、製作した。 (1)セル本体。寸法:60×60×70、材質:SUS630、開口部の数:4(光導入窓用2、試料保持用1、高圧流体導入用1)、窓部有効開口径:4φ、試料層の厚さ:2〜10(窓板の厚さを変えて調節)、セル本体の壁内部に、循環恒温槽からの熱交換媒体を流すための、流路(8φ)をくり抜く。 (2)窓板。寸法:10φ×10〜14t、材質:シリコン及びフッ化カルシウム、圧力カシールは窓板円柱の側面で0-リングによって行う。これは、セル本体の大きさをできるだけ小さくするために、筆者が開発した方法であり、これにより、安全シールド兼恒温保持用のステンレス製真空チェンバー内にセル本体を取付けた全体を分光器の試料スペースニ設置することが容易となった。しかし、このシール法では、窓板をセル本体から取り外すときに、窓板に不均一な力が加わる。シリコン窓板ではほとんど問題はないが、フッ化カルシウム窓板を用いたときに縁を若干損傷した。現在、シール法の改良を検討中である。 2.セル-DIGILABFTS-15Bフーリエ変換赤外分光器に設置し、透過率を測定した。 (1)フッ化カルシウム及びシリコン窓板を取付けたときの透過率は、それぞれ5%、2%であった。積算回数を、それぞれ、512と2048とすれば、160〜300のS/Nで測定できることがわかった。 (2)炭酸ガス流体は、1000〜4000cm^<-1>の範囲で、2200〜2500cm^<-1>と3500〜3800cm^<-1>を除けば、測定溶媒として使えることがわかった。しかし、ポリエチレングリコール等に対する溶解能を充分に高めるに到っていない。現在、溶解能を高めるべく、流体圧縮系の改良を行っている。
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