1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540395
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
中筋 一弘 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (60028230)
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Keywords | 多段階レドックス系 / 両性 / ドナー / アクセプター / 酸化還元電位 |
Research Abstract |
フェナレニルを含む新しい両性多段階レドックス系として、ジベンゾ〔dekl〕ペンタフェン(1 __〜 )を分子設計した。この分子は酸化状態及び還元状態において、フェナレニルの構造特性による安定化が期待でき、高い両性度を示すと考えた。 下記のような合成計画を考え、一段階づつ確実に合成することを目指した。大阪大学理学部在職中にオーブチルエステル体(7 __〜 )の合成まで達成していた。分子科学研究所において、その継続研究を阪大との共同研究として行った。(7 __〜 )を環化してジケトン体(8 __〜 )を得、これを還元してジヒドロ体(9 __〜 )を得た。種々の実験により最終目的物(1 __〜 )を合成しようと試みたが、現在のところ成功していない。しかし(9 __〜 )を金属カリウムと反応させ、NMRスペクトルを測定し、(1 __〜 )のジアニオンである(1 __〜 )^<2->の生成を確認することに成功した。今後(1 __〜 )^+の生成についても検討する予定である。
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