1988 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性βーシリルリンイリドの創製と不斉アルケニル化反応
Project/Area Number |
63540430
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
飯尾 英夫 大阪市立大学, 理学部, 助手 (80145771)
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Keywords | 不斉合成 / 光学活性 / リンイリド / ケイ素 / フェロセン / ルイス酸 / アルデヒド / ビニル化 |
Research Abstract |
βーシリルリンイリドはリン及びケイ素原子上の置換基を適当にデザインすることにより、アルデヒドとの反応において、シリル基が1,4ー転位したアルケニル化生成物を選択的にあたえる。この反応を不斉合成に応用する目的で、不斉源として光学活性フェロセニルホスフィンを用いて反応を検討した。 光学活性βーシリルリンイリドla、及びlbはそれぞれ反応する光学活性N,N-dimethyl-1-[2-(diphenylphosphino)ferrocenyl]ethylamine(PPFA)のメチルホスホニウム塩とiodomethylmethyldiphenylsilaneから合成した。THF中n-BuLiで発生したイリドを-78℃でアルデヒドと反応させると、アリルシランを生成することなくビニル化生成物を与え、さらにPPFAが回収できた。反応系にルイス酸(Et_2AlOEt)を添加すると収率が向上する。不斉収率に関しては、laを用いた場合benzaldehydeとの反応では770%eeであるが、脂肪族アルデヒドでは低い。一方、lbを用いると3-phenylpropanalとの反応でも85%eeの不斉収率が達成できた。Benzaldehydeとの反応で(S,R)-laからSー体、(S,S)-lbからRー体が得られたことより、この反応の不斉誘起はフェロセニル基側鎖の中心性不斉よりむしろフェロセニル基の面性不斉に基因することがわかる。今後リンイリドをさらにデザインすることにより、より高い不斉誘起が期待できる。
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