1988 Fiscal Year Annual Research Report
フローインジェクション分析システムにおける電気化学検出素子の開発と特性評価
Project/Area Number |
63540444
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
大坂 武男 東京農工大学, 工学部, 助手 (80152099)
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Keywords | フローインジェクション分析 / 高分子修飾電極 / グルコースセンサ / 電界重合膜 / 酵素固定化膜 / ポルフィリン錯体 / 粘土薄膜 |
Research Abstract |
本研究は、フローインジェクション分析(FIA)システムの検出素子として、"高分子修飾電極"を用いる全く新しい原理に基づいた電気化学的検出素子の構築およびその特性評価を行うことを目的として行われた。研究成果の要約は次の通りである。 1.電極基板上にコバルトポルフィリンの電解重合薄膜を被覆し、さらにその上にグルコースオキシダーゼ(GOx)固定化アルブミン膜を被覆した二層膜被覆電極は、約0.1〜10mMのグルコース濃度範囲でグルコースセンサとして機能することがわかった。この場合、酵素反応で消費される酸素量が電流測定法で測定され、ポルフィリン膜は酸素を触媒的に還元している。GOxの固定化量が少ないほど、ダイナミックレンジは広がることがわかった。電極基体を微小化することによって、応答時間が2秒以内のセンサが作製された。このセンサは、FIAシステムにおいてもすぐれた応答特性を有することが明らかになった。また、本センサは、有機積層膜被覆に基づいた新しいタイプの全固体型グルコースセンサであり、他の酵素センサへの応用も可能であることがわかった。 2.レドックス活性粘土薄膜(Ru(NH_3)^^<2+>__6錯体を集積・固定したモンモリロナイト粘土薄膜など)およびGOx固定化膜被覆電極は、1〜150mg/dlの範囲でグルコースセンサとして機能することがわかった。この場合、酵素反応で生成する過酸化水素は粘土薄膜で触媒的に還元される。2ケ月間以上にわたって再現性のある安定なセンサ応答が得られた。 3.N、N-ジアルキルアニリンの電解重合により作製されたカチオン性サイトを有するアイオネンポリマー薄膜被覆電極は、カテコールアミン系代謝物であるドーパ、3、4-デヒドロキシフェニル酢酸、ホモバニリン酸、3、4-デヒドロキシマンデル酸などの分離・定量に有効であることが明らかになった。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Takeo,OHSAKA: J.Electroanal.Chem.247. 339-343 (1988)
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[Publications] Takeo,OHSAKA: Electrochim.Acta. 33. 639-645 (1988)
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[Publications] Satoshi,KUNIMURA: Macromolecules. 21. 894-900 (1988)
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[Publications] Noboru,OYAMA: J.Chem.Soc.Perkin Trans.II. 833-838 (1988)
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[Publications] Noboru,OYAMA: Anal.Chem.60. 2534-2536 (1988)
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[Publications] Noboru,OUAMA: J.Macromol.Sci.-Chem.A25. 1463-1473 (1988)
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[Publications] Takeo,OHSAKA: Anal.Chem.
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[Publications] Takeo.OHSAKA: Anal.Chem.
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[Publications] 小山昇: "現代電気化学法-基礎マニアル-" 講談社サイエンティフィク,