1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540445
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小林 憲正 横浜国立大学, 工学部, 講師 (20183808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳川 弘志 三菱化成生命化学研究所, 主任研究員
土屋 正彦 横浜国立大学, 工学部, 教授 (40010756)
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Keywords | 化学進化 / 海底熱水噴出孔 / 微量金属元素 / 宇宙線 / 陽子線照射 / クエンチ放電前生物合成 / アミノ酸 |
Research Abstract |
1.新しい地球モデル(酸化型大気モデル)を用いた場合、原始地球上での生体分子の生成が困難になることが指摘されていた。海底熱水噴出孔は局部的な還元的な環境を提供する場として、生命の起源の場に適していると考えられる。種々の観点から、海底熱水噴出孔と化学進化との関連について実験を行った。(1)閉鎖型模擬実験:ガラス容器に入れた鉄、マンガン、亜鉛などの微量金属イオンを含む「模擬熱水孔海水」を電気炉中でメタン・窒素とともに200気圧、約300℃に加圧加熱したところ、生成物中に微量のグリシンなどのアミノ酸を検出した。アミノ酸溶液の加熱実験により、閉鎖系においては、一度生成したアミノ酸の一部が熱分解してしまうことが確認された。(2)クエンチ型模擬実験:実際の海底熱水噴出孔は閉鎖型ではなくフローリアクター型であり、この場合、クエンチ(急冷)効果により生成物の熱分解が免れることが期待される。このクエンチ効果を調べるため、消光放電実験をおこなった。メタン、窒素の混合気体と模擬海底熱水噴出孔海水との界面で放電を行ったところ、非常に効率よくアミノ酸が生成することがわかった。海底熱水噴出孔の化学進化への寄与を議論するためには、閉鎖型ではなく、このようなクエンチ型またはフロー型の実験が不可欠であることが示唆された。個々の金属イオンの効果についてさらに調べる予定である。 2.非還元型原始大気から直接、生体関連分子を合成する方法として、宇宙線エネルギーに着目した。一酸化炭素、窒素、水の混合気体を陽子線照射したところ、アミノ酸が非常に効率よく生成することを確認した。さらに、イミダゾール類の生成も確認された。核酸塩基の生成について検討中である。 3.出発物質に^BCOなどの安定同位体化合物を用い、生成物を液体イオン化質量分析法で分析する方法を検討し、生体分子の無生物的生成の証明に適した方法であることを見出した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 小林憲正: Viva Origino. 16. 197-198 (1988)
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[Publications] 小林憲正: 第5回宇宙利用シンポジウム論文集. 40-44 (1988)
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[Publications] K.Kobayashi: Proceedings of the 36th ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics. 181-182 (1988)
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[Publications] 小林憲正: 質量分析. 36. 151-167 (1988)
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[Publications] 小林憲正: 日本海水学会誌. 42. 155-168 (1988)