1988 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリ金属イオンの付加反応を利用した質量分析法のための新しいイオン化法
Project/Area Number |
63540466
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
藤井 敏博 国立公害研究所, 計測技術部, 主任研究員 (60109907)
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Keywords | アルカリ金属イオン / 付加イオン / リチュウムイオン / 付加反応 / 化学イオン化 / 表面電離 / 質量分析法 / カチオニゼーション |
Research Abstract |
イオン粒子と固相の相互作用の場において、アルカリ金属イオンが種々の化学種に付加(アタッチメント)する現象がしばしば観測される。固体表面でのイオン分子反応であるが、この過程の機構が解明されるにつれ、応用面の開発に興味が移りつつある。そこで1)この現象を利用した質量分析法のための新しいイオン化法としての検討を行った。又2)このイオン化法と大気圧試料を直接導入する手法を組合せ、特定した物質がリアルタイムでモニターできるシステムの開発を行った。このことは、環境大気雰囲気の化学物質の検出や、他の分析機器たとえばガスクロマトグラフ、液体のクロマトグラフとの接続を可能にする。 1)大気圧イオン化質量分析計を主体にした二つのシステムを組み立てた。主な研究内容の一つは、リチュウムイオンの付加反応を利用した化学イオン化イオン源の製作であり、もう一つは大気圧試料の直接導入質量分析法のためのシステムの設計、組立となった。 2)Li^+イオンの化学イオン化イオン源質量分析法、リチュウムイオンの付加を利用したイオン化(カチオニゼーション)法が新しい質量分析法のためのイオン化法として有効になることが確認できた。4×10^<-9>g/secのアルデヒド(M)を導入した時、(M+Li)^+の電流値として3.2×10^<-14>Aが観測された。10^<-13>g/secオーダーの最小検出感度が期待される。 3)大気圧試料直接導入質量分析法、リチュウムイオンを一次イオンとして利用する系で行った。流量200ml/minの純空気に、2.3×10^<-4>g/minのトリエチルアミンを混合した大気試料を直接導入して特性を検討した。リアルタイムにしかも高感度に特定した物質の検出ができる目途がついた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshihiro Fujii.: J.Chem.Phys.87. 2321-2326 (1987)
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[Publications] Toshihiro Fujii.;Miyoshi Ogura.;Hitoshi Jimba.: Anal.Chem.on the issue of May 1,1989.