1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540534
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
桜井 直樹 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90136010)
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Keywords | オオムギ / 矮性 / 遺伝子 / オーキシン / トリプトファン / C-DNA / m-RNA |
Research Abstract |
渦赤神力(UZU)の矮性遺伝子(UZ)のつりあげのための準備段階として本年度は以下の研究を行った。 1)内生オーキシン合成経路の検討 すでにUZUは内生インドール酢酸(IAA)量が正常型(並)に較べて低いため細胞の伸長成長が正常におこらないことをつきとめているのでこのIAA生合成経路のどのステップがUZUで抑制されているかをつきとめることはUZ遺伝子のつりあげに重要な基盤を与える。 Law(1987)によって提唱されたD-トリプトファン(D-Trp)経路が、UZUにあてはまるかを検討した。UZUと並ではL-Trpの内在量が同じであり、この量がUZUのIAA量低下の原因でないことがわかった。次にD-Trpを与えると、並、UZUともにIAAの合成量が4倍に上昇した。更にこの上昇は、D-アミノトランスフェラーゼの阻害剤D-シクロセリンで完全に抑えられた。従ってUZUではD-TrpがIAA生合成の直接の基質になっている可能性が極めて高く、L-TrpからD-Trpへの変換酵素トリプトファンラセマーゼ、あるいはD-Trpからインドールピルビン酸への変換酵素D-トリプトファントランスアミナーゼのどちらかの酵素活性に異常があるものと思われる。 2)C-DNAクローニング 1)とは別に、子葉鞘の生長がUZU、並でそれぞれ最大の時期を選び、m-RNAを抽出して、C-DNAライブラリーを作った。このライブラリーの中でIAA生合成経路に関与する遺伝子、あるいは生長を直接的に制御する細胞壁多糖類合成・分解酵素をコードした遺伝子を同定するための準備段階が完了した。現在UZUのm-RNAと並のC-DNA間のハイブリッド形成で、UZUに特異的な矮性遺伝子(UZ)が存在するかを検討中である。
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[Publications] SAKURAI,N.;S.KURAISHI: Plant Cell Physiol. 29(8). 1337-1343 (1988)
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[Publications] KURAISHI,S.,;D.Yamashita,;N.Sakurai;S.Hasegawa.: J.Plant Gruwth Regul.8. 8(1). 3-9 (1989)
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[Publications] Wakabayashi,K.,;N.Sakurai;S.Kuraishi.: Physiol.Plant. 75. 151-156 (1989)
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[Publications] Wakabayashi,K.,;N.Sakurai.;S.Kuraishi.: Plunt Cell Physiol. 30. 99-105 (1989)
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[Publications] Kokubo,A.,;S.Kuraishi;N.Sakurai.: Plant Physiol.