1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540539
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
下田 親 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (80047290)
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Keywords | 減数分裂 / 分裂酵母 / 遺伝子クローニング / 塩基配列決定 / 低温感受性突然変異 |
Research Abstract |
1.分裂酵母(S.pombe)の減数第一分裂に関与するmei4遺伝子の解析(1)サザン分析:mei4突然変異を相補するDNA断片をライブラリーからクローン化した。mei4と隣接するcdc2遺伝子をプローブとするサザン分析を行ない、mei4遺伝子そのものをクローニングしたことを確認した。 (2)ノザン分析:mei4遺伝子の翻訳領域を含む一本鎖DNAをプローブとして、ノザン分析を行ない2.7kbの転写産物をmei4のmRNAと同定すると共に転写の方向を決定した。またこのmRNAの転写量が窒素飢餓条件で顕著に増加することを明らかにした。 (3)塩基配列の決定:約2kbのDNAの塩基配列を決め321アミノ酸から成るORFを見つけた。このORFはmei4タンパクのN末端側半分に対応すると推定され、さらに3′方向にシークエンスする必要があると考えられる。予想されるアミノ酸配列と相同なタンパクをデータベースから検索した結果、オンコジーンc-mycおよびパピローマウイルスE2タンパクと相同な領域が存在することを見出した。 2.減数第一分裂前期に異常を持つ新たな突然変異体の単離 (1)突然変異体の取得:EMSで突然変異を誘起した約3万のコロニーをスクリーニングし、低温感受性の第一分裂欠損変異株を1株(J13)取得した。 (2)J13変異株の性質:半許容温度にすると、二胞子のみを含む子のうを高頻度で作った。この胞子の遺伝子分離様式を調べつつある。 (3)mei10遺伝子の同定:J13株は劣性の一遺伝子支配で、かつ既知の減数分裂遺伝子とは異なる遺伝子であることを証明した。この遺伝子をmei10と命名し、第二染色体のセントロメア近傍にマップした。 (4)温度シフト実験および遺伝子クローニングについては、来年度継続して行なう。
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