1988 Fiscal Year Annual Research Report
ラン藻MSPのプロセシング部位へのrestriction siteの導入
Project/Area Number |
63540542
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
村田 光代 東邦大学, 理学部, 講師 (10057599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 朋彦 東邦大学, 理学部, 講師 (80153435)
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Keywords | シグナルペプチド / チラコイド膜 / 膜タンパク質 / ラン藻 / 分泌発現 / 大腸菌 |
Research Abstract |
1.ラン藻Anacystis nidulans R2のマンガン安定化タンパク質(MSP)の遺伝子woxAにおいて、タンパク質のプロセシング部位に相当する箇所の近傍にoligonucleotide-directed mutagenesisにより制限酵素部位を導入した。この遺伝子操作の過程において以下の知見を得た。変異を発現が行われている系で行うことができれば変異タンパク質が直接得られて都合がよい。しかしながら、このタンパク質の場合には発現系での変異は不成功であった。即ち、gapped duplex法では決ってある異なる箇所に制限酵素部位が導入され、pUCI18を用いたsingle-stranded plasmid法ではhelper phage M13K07の感染によりsingle-stranded plasmid DNAが実質的に生産されなかった。そこで本研究では、変異したい箇所を含むwoxAの一部を、フレームをずらせて発現しないようにしてpUCI18に挿入し、single-stranded plasmid法により変異を導入した後、変異DNAを発現系に戻した。本法での成功から、前2法の不成功の原因として発現産物の影響が考えられる。本タンパク質が水不溶性の膜タンパク質であることが問題なのかも知れない。 2.Anacystis MSPのシグナルペプチドをコードする部分にエンドウMSPのcoding sequenceを接続して大腸菌体内で発現させたところ、エンドウMSPがほぼ成熟体のサイズで発現した。このことから本研究で得られたベクターが実際に大腸菌における分泌発現の道具として利用できるものと思われる。
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